2004 Fiscal Year Annual Research Report
量子力学の非局所性の量子軌跡による分析と連続変数量子テレポーテーション
Project/Area Number |
14540382
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
外山 政文 京都産業大学, 工学部, 教授 (60180189)
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Keywords | 量子エンタングルメント / 量子テレポーテーション / 非局所性 / 量子軌跡 / 点状相互作用 / 量子レジスター |
Research Abstract |
昨年度までの研究成果を踏まえ、本年度は下記の研究課題について研究を発展させた。 1.配置空間における量子エンタングルメントの非局所性と量子軌跡の非局所相関: 分散型波束と調和振動子コヒーレント波束の2種類の波束状態を用いて配置空間における3粒子の量子エンタングルド状態を構成し、量子軌跡間の非局所相関を調べた。エンタングルド状態を構成する成分波動関数間に何らかの非対称性が存在する場合に、各構成粒子の位置部分空間において量子軌跡間に部分的な交差が生じることを明らかにし、その部分交差のパターンを詳しく分析した(但し、全配置空間では同一時刻で量子軌跡間で交差は生じない)。 2.位置と運動量の量子テレポーテーションの非相対論的時間発展モデル: 量子通信路としての2粒子エンタングルド状態としてガウス型相関関数を用いた量子テレポーテーションのモデルを構築し次のような興味あるケースを見いだした。すなわち、特別な2粒子相対運動量の測定値を仮定した場合に2モードの入力状態が1モード状態に転換されテレポートされる場合がある。また、受信者のユニタリー変換までの時間経過による測定後生成状態の時間発展がテレポーテーションのフィデリティをどのように悪化させるか、その詳しい分析も行った。量子通信路として2モードのエンタングルド重ね合わせ状態を用いた量子テレポーテーションの時間発展モデルの構築は現在進行中である。 3.関連発展課題: 量子レジスターの新しいモデルへの応用を目的に量子力学系の点状相互作用について調べた。フェルミ型擬ポテンシャルを持つチャンネル結合モデルと一般化された点状相互作用による運動量演算子の自己共役拡張との関係について明らかにした。さらに、エネルギー依存型点状相互作用のモデルを構築した。
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Research Products
(5 results)