2002 Fiscal Year Annual Research Report
世界の大地震のアスペリティマップ -アスペリティの地域性とテクトニクスの関係-
Project/Area Number |
14540389
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山中 佳子 東京大学, 地震研究所, 助手 (30262083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 正幸 東京大学, 地震研究所, 教授 (20046147)
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Keywords | アスペリティ / 震源過程 / 地震記象 |
Research Abstract |
世界のアスペリティマップを作成するため、今年度はまず解析対象とする地震のリスト作成を行った。解析可能な1962年以降に世界で起こった地震で様々なカタログ、過去の解析を基にM7.5以上あるいはM7クラスでも重要そうな地震をリストアップした。これらのリストを基に1977年以降の267地震に対してデジタル記録の収集を行った。さらに千島列島域に関してはマイクロフイルム化されているアナログ記録の収集も行った。今年度はあまり地域を選ばず最近の地震からさかのぼって解析を行った。 一方北海道太平洋側地域についてはM7以上の地震すべての解析を行った。その結果、北海道のプレート境界地震について、浅い部分ではアスペリティの大きな地震が起こるのに対し、プレートの沈み込み角が急になっている部分ではM7程度の比較的規模の小さい地震しか起きていないなど、プレートの形状(または位置)とアスペリティのサイズに相関があることがわかってきた。またこれまで余震分布から干島弧では大地震が埋め尽くすように起こっていると考えられていたが、アスペリティは離散的に存在していて、余震など小地震が起きやすい地域がその間に存在しているらしいこともわかってきた。 内陸の活断層についての解析も行った。2001年11月14日の崑崙地震では全長400kmに及ぶ地震断層が現れた。観察された断層は大きく4つのセグメントからなり、すべり量は極端に不均一であった。この断層すべりは地震波解析によって得られたモーメント解放分布と良い一致を示した。同様のことが、2002年11月4日のアラスカ・デナリ地震でも示された。
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[Publications] Kikuchi, M., Y.Yamanaka: "Fault asperity of large earthquakes in Japan inferred from low-gain historical seismograms"SSA Spring Meeting. (2002)
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[Publications] Kikuchi, M., A.Lin: "Teleseismic analysis of the 2001 Kunlun earthquake and the comparison with field observations"AGU Fall Meeting. (2002)
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[Publications] Y.Yagi, M.Kikuchi: "A possible site of a future large earthquake as highlightened by aseismic fault slips in Huga-nada, Japan"Geophys.Res.Lett.. 30. 10.1029/2002GL015664 (2002)
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[Publications] 山中佳子, 菊地正幸: "アスペリティマップ 北海道編"日本地震学会講演予稿集秋季大会. B52 (2002)
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[Publications] 山中佳子, 菊地正幸: "見えてきたアスペリテイの特徴"月刊地球. 527-528 (2002)