2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540410
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Research Institution | Toba National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
石田 邦光 鳥羽商船高等専門学校, 商船学科, 助教授 (80149939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 慶一郎 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (30185251)
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Keywords | アイス・バンド / 季節海氷域 / MOS-1 / 1b / MESSR / 氷縁 / 海氷密接度 |
Research Abstract |
これまで、解析に利用してきたデータは、1989年〜1996年に昭和基地で受信されたMOS-1/1b MESSRのQ/L画像であるが、最近になって、NASDAがこれらの画像データの積極的な処理を進めたことにより、多くのデータがコンピュータで解析可能になり、各シーンの位置なども正確にわかるようになった。しかし、これまで利用してきたQ/Lに記録された位置情報(Row;緯度情報)とNASDAで処理されたMESSRデータの情報とに差異が多くあることが判明した。このため、これまでに作成してきたアイス・バンドのデータセットについても再確認が必要になった。また、アイス・バンド域の海氷密接度は、SSM/IからNASA Teamアルゴリズムを使って求めてきたが、最近の研究により、薄氷域や氷縁域では、これよりもBootstrapアルゴリズムの方が適当であることがわかってきた。このため、海氷密接度のデータをすべてBootstrapで計算し直す必要が出てきた。本年度は、データセットの作成を目的として研究を進めてきたこともあり、こうした問題点が明らかになったことは、一つの成果であったといえる。現在、データセットの再構築を進めており、次年度からは本格的な解析に入る予定である。なお、再構築する前のデータセットについて、その傾向を概観するならば、以下の2点について言及できるが、再構築後のデータセットによる正確な解析が必要であることは言うまでもない。アイス・バンドの形成期においては、海氷密接度は、徐々に減少しているようである。アイス・バンドの形成に寄与すると考えられている風の影響は、単なる沖出しの風(氷縁の海氷を海水面方向に押し出す、北向きの風)だけでなく、東西方向の風も寄与していると考えられ、アイス・バンドの形成にはその場の風の収束・発散との相関を考える必要があるようである。アイス・バンドのバンド軸の不規則性や波動も、こうした影響による可能性がある。
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