2004 Fiscal Year Annual Research Report
付加体形成における構造侵食の役割-秩父累帯南帯と四万十帯を例として
Project/Area Number |
14540428
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
君波 和雄 山口大学, 理学部, 教授 (20127757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 純夫 新潟大学, 理学部, 教授 (60200169)
鎌田 祥仁 山口大学, 時間学研究所, 助教授 (30294622)
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Keywords | 海山 / 衝突 / 秩父累帯 / 四万十帯 / 砂岩 / 緑色岩 / メランジ |
Research Abstract |
平成16年度については,秩父累帯南帯および四万十帯において調査・研究を行い,以下の様な成果をえた. 1.昨年度に野外調査および試料採集を行った大分県本匠村の秩父累帯南帯床木層(三宝山ユニット)の放散虫年代や同村小半付近の同層中に含まれるアンカラマイトを伴う玄武岩類の岩石学的・地球化学的検討を行った.4地点から明らかにされた放散虫化石群集は,同層の付加年代が後期ジュラ紀の末期〜前期白亜紀の前半であることを示す.また,小半付近の玄武岩質岩は,かんらん石玄武岩〜ドレライト,アンカラマイト溶岩,アンカラマイト質ハイアロクラスタイト,再堆積性玄武岩質火山砕屑岩,角閃石玄武岩,玄武岩(無斑晶質玄武岩,かんらん石単斜輝石玄武岩)などから構成され,赤色頁岩,石灰質砂岩・泥岩などを挟在しする。玄武岩類のモード組成,斑晶単斜輝石・スピネルのEPMA分析などが行われたが,その解析結果や,付加に由来する構造浸食の有無については現在検討中である. 2.愛媛県大洲付近の秩父累帯南帯の調査・研究を行い,地質図を作成するとともに,泥質岩におけるビトリナイト反射率を測定し,地質と被熱との関連を検討した.地質は,斗賀野ユニットと推定される地質体と帰属不明の砕屑岩(砂質片岩および泥質片岩)からなる地質体に区分され,後者が前者に比べて明らかに高い熱変成を被っており,より深部での付加が推定される. 3.四万十帯南帯の清水層と在岬層に含まれる火山岩礫の岩石学的特徴や地球化学的特徴を検討した.これらの火山岩礫は,主にアルカリ玄武岩,粗面安山岩,粗面岩および少量のアルカリ流紋岩からなるアルカリ岩系の火山岩からなる.2次的な変質作用などで比較的動きにくいとされる元素に関する検討結果は,これの火山岩礫がプレート内玄武岩に由来し,海洋島を構成していたことを示唆する.海山の衝突・付加は,海溝内側斜面の崩壊再堆積を引きおこした可能性がある.
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Research Products
(1 results)