2004 Fiscal Year Annual Research Report
黒瀬川帯とニューイングランド褶曲帯の断片化したオフィオライトの岩石化学的研究
Project/Area Number |
14540429
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
佐野 栄 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (10226037)
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Keywords | オフィオライト / 古生代ゴンドワナ大陸 / ニューイングランド褶曲帯 / 地球化学 / 島弧-海溝系 |
Research Abstract |
オーストラリア東部の南部ニューイングランド褶曲帯,Peel-Manning Fault Systemに沿った蛇紋岩メランジには,様々なテクトニックブロックが含まれる。Pigna Bamey地域の変閃緑岩は,高いニッケル,ロバルト濃度と低いREEとHFSE濃度を示し,ボニナイト的な化学的性質で特徴づけられる。この岩石のSm-Ndアイソクロン年代は536Maを,Rb-Srアイソクロン年代は426Maを示す。前者の年代は,閃緑岩の定置した年代を,後者は何らかの変成年代を表しているものと考えられる。本メランジ中には,このテクトニックブロックの他に,異なった地球化学的な性格を有する多様な岩石が存在する。これらの結果を総合し,以下のようなテクトニックイベントを想定した。(1)約535Ma頃の未成熟島弧の火成活動とエクロジャイト相の変成作用で特徴づけられるサブダクションイベント,(2)480Ma頃の島弧火成活動と青色片岩相の変成作用で代表されるサブダクションイベント,さらに,(3)420Ma頃の島弧的性格を有するマグマの活動とボニナイト質岩石の変成作用。3回のどのイベントもゴンドワナ大陸東縁部の島弧-海溝系をイメージさせるものであり,古生代全般にわたり,現在の西太平洋のような多重な島弧-海溝系が定常的(周期的に)に発達していたと考えられる。 一方,西南日本外帯の黒瀬川帯は,古生代ゴンドワナ大陸東縁部から横ずれ断層により,延々現在の日本列島に合体し形成された構造帯であると考えられている。しかしながら,その帰属は現在まで十分な証拠がそろっているとはいえず明確になっていない。本研究では,黒瀬川帯の蛇紋岩ゾーンと,当時のゴンドワナ大陸東縁部に位置するニューイングランド褶曲帯の蛇紋岩に含まれるテクトニックブロックの岩石学的・地球化学的性質の比較検討を試みた。.
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Research Products
(2 results)