2003 Fiscal Year Annual Research Report
古生代中期から中生代最前期の礁生態系の変遷様式-後生動物礁と微生物礁変遷の統合-
Project/Area Number |
14540440
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
江崎 洋一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60221115)
|
Keywords | ペルム紀 / トリアス紀 / デボン紀 / マイクロバイアライト / 微生物 / 絶滅 / スロンボライト / 炭酸カルシウム |
Research Abstract |
1.南中国貴州省・広西壮族自治区に分布する,とくに下部トリアス系石灰岩の野外調査を行い,詳細な堆積相・岩相・微生物相の検討を行なった.その結果,次のことが明らかとなった. (1)揚子地塊南部地域の最下部トリアス系には,個々には局所的(側方に数km〜数十kmオーダー)ながら,全体としては広域的にスロンボライト礁が分布している. (2)スロンボライトの微視的〜巨視的観点からの記載を行い,後生動物礁の消滅に引き続く微生物礁の成因として,1)ペルム紀末の絶滅事変後,一定期間持続した海洋環境の悪化ならびに微生物(とくに球状)相の発達,2)特異的に継続した,炭酸カルシウム濃度の過飽和状態,3)世界的な規模での海水準変動と地域的な堆積環境の変遷などの相互関連性が考えられる. (3)クロッツとしての構成要素が,上方・側方に付加的に成長することによって,スロンボライトの組織が形成されている.球状微生物自体がペロイド状粒子の直接的な起源となる場合もある. 2.オーストラリアN.S.W.州に分布する下部デボン系微生物礁の成因を,(1)後生動物礁の代表である層孔虫が創りだす微環境とマイクロバイアライト(とくにストロマトライト)組織の多様性との関連,(2)代表的なカルシマイクローブであるRothpletzellaの成長様式の可塑性の観点から議論した. 3.中・古生代後生動物礁の代表的な形成者である,四射サンゴならびに六射サンゴの成長様式を,その最も重要な支配要因である無性増殖様式の観点から考察した.そこには,系統的・構造的な規則性が存在している. 上記の研究の一部は,学術誌,ならびに昨年8月にオーストリア(グラーツ)で開催された第9回国際化石刺胞動物・海綿動物会議などの場で発表された.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Yoichi EZAKI: "Earliest Triassic microbialite micro- to megastructures in the Huaying area of Sichuan Province, South China : Implications for the nature of oceanic conditions after the end-Permian extinction"PALAIOS. 18. 388-402 (2003)
-
[Publications] Yoichi EZAKI: "Paleoecological and phylogenetic implications of asexual reproduction in the Permian scleractiniamorph Numidiaphyllum"Journal of Paleontology. 78・1. 84-97 (2004)
-
[Publications] Yoichi EZAKI: "Regular and flexible modes of division and hystero-ontogenetic growth in the Silurian rugose coral Stauria favosa"Palaeontology. (印刷中).
-
[Publications] Natsuko ADACHI: "The fabrics and origins of peloids immediately after the end-Permian extinction, Guizhou Province, South China"Sedimentary Geology. 164. 161-178 (2004)