Research Abstract |
1 バナジン酸塩ガーネットを分類した。Type1:{A^<+3>}[M^<3+>_2](V_3)O_<12>,Type2:{A^+_2A^<2+>}[M^<2+>M^<3+>](V_3)O_<12>,Type3:{A^+_2A^<3+>}[M^<2+>_2](V_3)O_<12>,Type4:{A^+A^<2+>_2}[M^+M^<3+>](V_3)O_<12>,Type5:{A^+A^<2+>_2}[M^<2+>_2](V_3)O_<12>,Type6:{A^<2+>_3}[M^+M^<2+>](V_3)O_<12>,Type7:{□_<0.5>A^<2+>_<2.5>}[M^<2+>_2](V_3)O_<12>,A^+=Li^+,Na^+,K^+,Cu^+,Ag^+Tl^+;A^<2+>=Ca^<2+>,Sr^<2+>,Cd^<2+>,Pb^<2+>;A^<3+>=Cr^<3+>,Ln^<3+>,Y^<3+>,Bi^<3+>;M^+=Li^+;M^<2+>=Mg^<2+>,Mn^<2+>,Co^<2+>,Ni^<2+>,Cu^<2+>,Zn^<2+>,Cd^<2+>;M^<3+>=Sc^<3+>,Cr^<3+>,Fe^<3+>。Type3〜Type7についてイオン置換の検討を実験的に行い,数十種類新たに合成することに成功した。 2 構造解析の結果,6配位8面体に入るイオンの大きさの順序がShannon(1976)の有効イオン半径の順序とは違ってNi^<2+>,Mg^<2+>,Co^<2+>,Cu^<2+>,Zn^<2+>,Mn^<2+>,Cd^<2+>であることが分かった。これはV-Oの強い結合力が原因であり,バナジン酸塩ガーネットの結晶化学的特徴になる。 3 モルフォロジーについては,{Na^+A^<2+>_2}[M^<2+>_2](V_3)O_<12>M^<2+>=Ni^<2+>,Co^<2+>,Mg^<2+>,Cu^<2+>,Zn^<2+>,Mn^<2+>,Cd^<2+>について実験した。3モル%以上の濃度ではどの組成においても温度にかかわらず{211}面のみであったが,3モル%以下の薄い濃度では6配位に入るイオンの大きさによって3つのタイプに分類された。M^<2+>=Ni^<2+>,Mg^<2+>,Co^<2+>では750℃より高温では{211}面のみ,700℃より低温では{110}面のみ,それらの中間の温度では両者が混じった結晶になった。M^<2+>=Cu^<2+>,Zn^<2+>,Mn^<2+>では650℃より高温では{211}面のみ,それより低温では{211}にわずかに{110}が加わった。M^<2+>=Cd^<2+>ではどの温度でも{211}面のみであった。これらの結果をケイ酸塩ガーネットなどで得られているモルフォロジーの結果とともに8配位と6配位に入るイオンの大きさの比と4配位の大きさとのグラフにプロットして規則性があることを見出した。温度依存性に関しては,8配位12面体と6配位8面体の大きさの温度依存性を検討することで,現象が説明できた。
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