2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540473
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
入佐 正幸 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (60284600)
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Keywords | 水和 / エントロピー / 熱容量 / アクチン / ボロノイ図 / ドロネー図 / αシェイプ / scaled particle theory |
Research Abstract |
主に二点について研究を行った。第一のトピックは、アクチン分子間に働く排除体積起因の平均力の計算であり、第二のトピックは、2状態モデルを用いた球状蛋白質の熱容量の計算である。第一のトピックは、蛋白質の会合に関連している。アクチンは高塩濃度の溶液中で、会合によりフィラメントを自発的に形成する。近接したアクチン2分子間に働く高分子込み合い効果起因の平均力を、5種類の2分子相対配置について、溶液理論の一つである拡張scaled particle theory(XSPT)を用いて計算した。その結果、溶液中のダイマーがとる2分子相対配置が最も安定となった。また、高濃度では安定化される2分子の相対配置が低濃度と異なる結果になった。高分子込み合い効果により、排除体積が比較的大きな相対配置(フィラメント中での軸に沿った配置)におけるアクチン2分子が強く安定化された。これは、高濃度では排除体積の大小のみで高分子込み合い効果を議論できないことを示している。XSPTにおいて排除体積の仮想的スケーリングに関する関数形の導出のために、計算幾何学でのαシェイプが用いられた。XSPTは溶質の形状を大きさの異なる球の重ね合わせとする。このunion of ballsの双対図形がαシェイプである。このことにより、蛋白質分子の立体構造の変化に伴う形状の変化を直接計算に取り入れることが可能になっている。分子の形状が滑らかな凸体であるhard bodyとして近似した場合、Fundamental measure theory(FMT)と呼ばれる密度汎関数理論の一つの表現が、ひとつの項を除いてXSPTと全く同じになることがわかった。溶質が球形である場合は、2つの理論は同じ表現を与える。αシェイプの手法をFMTにも同様に適応した結果、XSPTの結果とFMTの結果は溶媒和自由エネルギーを挟み込む形で値を与えることがわかった。
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Research Products
(2 results)