2002 Fiscal Year Annual Research Report
供与型金属-金属結合に基づく多数核クラスターの錯体の合成
Project/Area Number |
14540508
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 正 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40230362)
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Keywords | 供与型金属-金属間結合 / 白金錯体 / 金属クラスター錯体 |
Research Abstract |
本研究では,少数核の金属クラスター錯体に白金II価錯体を配位させることにより,より核数の大きなクラスター錯体を合成することを目的としている。これまでアクセプターとしてaxial位のルイス酸性の強いRh複核錯体,[Rh_2(CF_3COO)_4],を用いて[{Pt(bpy)Me_2}_2{Rh_2(CF_3COO)_4}]を合成してきたが,本研究ではドナーとなる白金錯体として新たに[Pt(phpy)_2],[Pt(thpy)_2](Hphpy=phenylpyridine, Hthpy=thienylpyridine)を用いて同様な錯体の合成を行った。[Pt(phpy)_2]を用いた場合,[Pt(bpy)Me_2]の場合と同様に両側から白金錯体が配位した[{Pt(phpy)_2}_2{Rh_2(CF_3COO)_4}]が得られた。Pt-Rh距離は2.818(1)Åであり比較的強い結合が形成されたことを示している。また,Rh-Rh距離は2.442(1)Åと若干長く,これはPt配位によるtrans影響と考えられ,PtがRhに強く配位している。また,Rh-Rh距離は2.4442(1)Åと若干長く, これはPtがRhに強く配位していることを示している。[Pt(thpy)_2],を用いた場合も同様な四核錯体が形成されたが,この四核錯体がさらにthpy部分のSを通して[Rh_2(CF_3COO)_4]を架橋し一次元鎖を形成した錯体であった。四核骨格内のPt-Rh,Rh-Rh距離はそれぞれ2.751(1),2.436(1)Åでありphpy錯体と同様な傾向を示した。、また,アクセプターとしてRu複核錯体,[Ru_2(RC00)_4]^+,を用いて同様な錯体の合成を行ったが,単純に白金錯体が配位したものではなく酸化還元反応が関与していると考えられる生成物が得られたが,構造決定には至らず,現在この化合物について研究を進めている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tadashi Yamaguchi, Fumie Yamazaki, Tasuku Ito: "A cyclic tetramer of [Ag(1,4,7-trithiacyclononane)], tetrakis(μ-1,4,7-trithiacyclononane-κ^3S^1,S^4,S^7:_κS^1)tetrasilver^+ (I)"Acta Crystallographica. C58. m213-m214 (2002)