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2002 Fiscal Year Annual Research Report

超高分解能光電子分光法を用いた有機超伝導体相転移前後におけるスピン相関状態の解明

Research Project

Project/Area Number 14540529
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

日野 照純  千葉大学, 工学部, 助教授 (10105827)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 岩崎 賢太郎  千葉大学, 工学部, 助手 (00251182)
Keywords光電子分光 / 一次元直鎖状炭素原子鎖 / クムレン
Research Abstract

有機超伝導体や有機磁性体は、往々にして大気に曝されることによりその特性が損なわれることが多い。このため、通常の光電子分光装置を用いて物質本来の電子状態を測定することに支障を来すことになる。物質本来の電子状態を明らかにするためには、試料を大気に曝すことなく迅速に超高真空槽内に導入し、直ちに光電子スペクトルを測定する必要がある。このような実験的な要請から、試料を迅速に超高真空槽内に導入できるクイックインサーション機構を設計作製した。このクイックインサーション機構により、短時間で超高真空である超高分解能光電子分光装置内に試料を導入することができるよう現在調整中である。
また、大気中でも特性が大きな影響を受けない一次元直鎖状炭素原子鎖(クムレン鎖)を持つモデル化合物の紫外光電子スペクトルを測定し、スペクトルが鎖長によりどのような変化をするかについての検討を行った。この研究により、(1)クムレン鎖を修飾している置換基に起因する光電子スペクトルピークは鎖長によって影響を受けないこと、(2)炭素差が長くなるほど電子の最高被占準位(HOMO)が浅くなることが明らかとなった。特に(2)の結果は、実存するクムレン鎖を持つ化合物では鎖長が長くなるほどその安定度が減少することを裏付ける結果である。しかし、これは、クムレン鎖が一次元量子井戸モデルと見なすことが出来、このモデルから予測されるHOMOは鎖長による依存性がないということと相反するものであった。この原因は、クムレン鎖を構成する各二重結合を作る炭素原子間距離は均一ではなく、末端のものより内部のものは圧縮を受け、二重結合長が三重結合長とほぼ同じ長さになっているためと推定できた。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] S.Hino: "Electronic structures of Linear Carbon Chain Molecules"Surface Review and Letters. 9(2). 1263-1267 (2002)

URL: 

Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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