2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540564
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
杉谷 嘉則 神奈川大学, 理学部, 教授 (80015552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
影島 一己 ウテナ, 八王子研究所, 主任研究員
西本 右子 神奈川大学, 理学部, 講師 (70241114)
天野 力 神奈川大学, 理学部, 教授 (20017445)
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Keywords | emulsion / stability evaluation / high frequency spectra / oil-in-water |
Research Abstract |
エマルションは医薬品、食品、農薬、塗料、化粧品、その他多くの産業分野において利用されているが、熱力学的に不安定な系であるため、時間経過によりいずれは相分離を生ずる。このため、エマルションの安定性を評価する技術は製品の品質保証・管理という観点から重要な意味を持つ。本研究では種々の方法で調製したエマルションに対して高周波分光法を適用し、エマルションの安定性と高周波分光スペクトルとの関係について検討を行った。 測定試料にはO/W型エマルションを用いた。油相には流動パラフィン、水相には超純水、界面活性剤にはポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレートとソルビタンモノステアレートの1:1混合物を用いた。乳化剤添加量4〜20wt%の範囲で調製したエマルションにつき、調製からの経過時間による共振周波数の変化について検討を行ったところ、いずれの試料も保存期間の長期化に従って徐々に共振周波数が高周波数側へシフトしていくことが分かった。また高周波シフトの割合は、乳化剤添加量が増えるに従って緩やかなものになる傾向が観測されており、界面活性剤の添加量によってエマルションの安定性が異なることを示している。また、試料調製時の攪拌方法や水相添加速度等によっても高周波分光スペクトルに違いが生じることが判明した。これらの変化はエマルションの状態を反映したものであり、本法はエマルションの新しい安定性評価法として利用が可能であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 杉山, 武井, 立花佳代, 杉谷: "高周波分光法を用いるD-グルコースの異性化反応の追跡"分析化学. 51・9. 735-739 (2002)
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[Publications] Takei, Kuroeaki, Nishimoto, Sugitani: "Behavior of Bound Water in Polyethylene Oxide Studied by DSC and High-Frequency Spectroscopy"ANALYTICAL SCIENCES. 18・6. 601-604 (2002)