2002 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエを用いた樹状突起可塑性の発生遺伝学的解析
Project/Area Number |
14540566
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中川 リリア 筑波大学, 生物科学系, 講師 (80300888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古久保 克男(徳永 克男) 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (00272154)
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Keywords | 脳 / 発生 / 遺伝子 / ショジョウバエ / 神経可逆性 / シナプス |
Research Abstract |
ほ乳類脳では、殆どの興奮性シナプスは、樹上突起上のスパイン構造において起こる事が知られている。スパイン構造にはPSDと呼ばれるタンパク質の複合体が存在し、そのダイナミックな生成及び調節機構が学習・記憶の基盤になる神経可塑性に関わる事が示唆されている。しかし、その生成過程及び神経活動による修飾がどのようにもたらされるのかは、まだ不明である。本研究は、ショウジョウバエの記憶・学習の中枢であるキノコ体において、後シナプス構造の調節に関わる分子機構の解明を目的としている。今まで、私達はキノコ体のケニオン神経細胞の軸索投射線維が同心円状に伸長することを示し、機能的に層構造を有する事を示した(Kurusu et al. 2002)。現在はケニオン細胞の樹状突起で構成されるキャリックスの構造及び入力線維との関係に注目している。また一方では、ケニオン細胞樹状突起とほ乳類との類似性を明らかにする為、後シナプスの構成タンパク質に注目して研究をしている。Gal4エンハンサートラップ法及びMARCM神経モザイク法により、幼虫期のキャリックスは入力線維を取り囲む凡そ15個の糸球体によって構成されている事を明らかにした。また、キャリックスの樹状突起上には、ドット状にほ乳類類似の後シナプスタンパク質である、homer, dlg, F-actin,ゴルジの酵素であるfringeが発現されている事を明らかにした。今後は、同定されたキャリックスの糸球体と入力線維の数、分布様式を明らかにする事、Gal4により誘導される遺伝子を含むライブラリーをスクリーニングし、後シナプスの構成タンパク質の発現様式を調節する遺伝子の探索を行う計画である。ショウジョウバエのキノコ体を用いた本研究は、嗅情報がプロセスされる仕組みの解明に役立ち、樹状突起構成タンパク質の神経可塑性における役割を明らかにする事が期待出来る。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kurusu, M., Awasaki, T., Masuda-Nakagawa, L.M., Kawauchi, H., Ito, K., Furukubo-Tokunaga, K.: "Embryonic and Larval Development of the Drosophila Mushroom Bodies: Concentric Layer Subdivisions and the role of fasciclin II"Development. 129. 409-419 (2002)