2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540569
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
光澤 浩 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助手 (50202346)
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Keywords | 基本転写因子 / TFIID / TAF / WDリピート / 分裂酵母 / 転写調節 |
Research Abstract |
基本転写因子TFIID複合体のWDリピートをもつサブユニット(新統一名称はTAF5)を介した転写制御機構を明らかにするため、初年度である平成14年度は、分裂酵母TFIID複合体のWDリピートサブユニットのひとつであるspTAF72と相互作用する因子の単離を試み、以下のように、TFIID複合体の別のサブユニットであるspTAF50を、spTAF72結合蛋白質として同定することができた。 1 spTAF72のC末端側半分(WDリピート領域を含む)と結合する蛋白質を同定するため、two-hybrid法を用いて分裂酵母のcDNAライブラリーをスクリーニングし、25万個のコロニーから11個のポジティブクローンを得て、それらからプラスミドを単離した。 2 塩基配列決定により、ヒストンH4と相同性を示すTAF(統一名称TAF6)を同定し、spTAF50と命名した。これは、ヒトのhTAF80、ショウジョウバエのdTAF60、および出芽酵母のyTAF60の分裂酵母ホモログだった。 3 遺伝子破壊実験により、spTAF50は分裂酵母の生育に必須であることを見出した。 4 大腸菌中で発現させた組換え蛋白質を用いてGSTプルダウンアッセイを行ない、spTAF72とspTAF50とが試験管内で直接結合することを明らかにした。 5 FLAGエピトープを付加したspTAF72あるいはspTAF73と、Mycエピトープを付加したspTAF50を発現する分裂酵母株を作成し、細胞抽出液を用いて抗FLAG抗体による共免疫沈降実験を行なった。その結果、spTAF50はspTAF72およびspTAF73と同じ複合体中に存在することが示され、spTAF50がTFIID複合体の構成要素であることを生化学的に証明することができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hiroshi Mitsuzawa: "Identification of histone H4-like TAF in Schizosaccharomyces pombe as a protein that interacts with WD repeat-containing TAF"Nucleic Acids Research. 30・9. 1952-1958 (2002)
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[Publications] 光澤 浩: "分裂酵母を用いた基本転写因子TFIIDの解析"蛋白質 核酸 酵素. 47・14. 1931-1938 (2002)