2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入に伴う転写後発現抑制機構の多面的特性に関する研究
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14540588
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
児玉 浩明 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (70302536)
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Keywords | 転写後抑制型ジーンサイレンシング / 脂肪酸不飽和化酵素 / リノレン酸 / RNAプロセシング / 翻訳調節 / パーティクルガン / スプライシング |
Research Abstract |
タバコ小胞体局在型リノレン酸合成酵素遺伝子(NtFAD3)を導入した形質転換タバコでは、ほとんどの場合、野生型タバコよりもリノレン酸含量が大幅に増加する。しかし、S44と名付けた系統では、大幅にリノレン酸含量が低下した。このS44株で観察されるジーンサイレンシングでは、導入したNtFAD3遺伝子から転写されたmRNAは蓄積し、内在性のNtFAD3遺伝子から転写されたmRNAはスプライシングの異常により、ミススプライスされた産物として蓄積している。そこで、導入した遺伝子からのmRNAについてポリソーム解析を行った。葉組織からポリソームを含む画分を抽出し、ショ糖密度勾配遠心により分画した。過剰発現が行われているS24株では導入遺伝子の転写産物は比重の重い画分にmRNAが分布したが、S44株では導入したNtFAD3遺伝子のmRNAは比重の軽い画分に分布し、細胞内において翻訳効率が低下していることが明らかになった。またスプライシングの機構について調べるための実験系として、パーティクルガンによるin vivo splicingの系を開発した。この実験系ではタバコ葉組織に直接、イントロンを含むコンストラクトをパーティクルガンにより導入し、一過的に発現したmRNAをRT-PCRにより検出しようというものである。今回開発した実験系では、前培養が必要ではなく、導入後3時間程度の培養によりスプライス産物を検出することができたので、ジーンサイレンシングの研究に応用する予定である。
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Research Products
(1 results)