2003 Fiscal Year Annual Research Report
カフェイン生合成酸素の多様性とその時間的・空間的細胞内局在機構の解明
Project/Area Number |
14540590
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
水野 美砂子 (加藤 美砂子) お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (60272738)
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Keywords | カフェイン / カフェインシンターゼ / テオブロミンシンターゼ / チャ / コーヒー / カカオ / プリンアルカロイド / メチルトランスフェラーゼ |
Research Abstract |
カフェインはキサンチン骨格の1,3,7位がメチル化されているトリメチルキサンチンであり、テオブロミン(3,7-ジメチルキサンチン)を経て合成される。テオブロミンを蓄積するカカオ(Theobromacacao)にはカフェインシンターゼではなく、テオブロミンシンターゼが存在することを前年度に明らかにしたが、このテオブロミンシンターゼ遺伝子の発現について時間的な追跡を行った。その結果、テオブロミンシンターゼ遺伝子の発現パターンは、チャやコーヒーの場合とは異なり、幼葉では低く、葉の成長に伴って増加することが示された。また、テオブロミンシンターゼも、今までに単離されているカフェインシンターゼと同様に特定のオルガネラへの移行配列を持たず、細胞質基質に存在する可能性が高いと推定される。 カフェインシンターゼとテオブロミンシンターゼは、プリン化合物に対する基質特異性の違いが異なるが、同種の植物由来であればそのアミノ酸配列の相同性はきわめて高いことがわかった。そこで、基質特異性の相違を決定する領域を考えるために、Camellia属植物のカフェインシンターゼとテオブロミンシンターゼを用いて、アミノ酸を置換した変異体やキメラ酵素を作製し、その基質特異性を調べた。その結果、S-アデノシルメチオニンの結合領域を含まない酵素の中央部分が、基質特異性に関与することが示された。さらにその中でも、ヒスチジン残基とアルギニン残基の相違によって、基質特異性が変化することが示された。しかしながら、1つのアミノ酸の置換だけでは、基質特異性が完全に変化することはなかったので、基質特異性の決定には酵素の中央部分の複数のアミノ酸が関与すると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Mizuno, K., Kato, M., Irino, F., Yoneyama, N., Fujimura, T, Ashihara, H.: "The first committed step reaction of caffeine biosynthesis : 7-methylxanthosinesynthase is closely homologous to caffeine synthases in coffee (Coffea arabica L.)"FEBS Lett.. 547. 56-60 (2003)
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[Publications] Koyama, Y., Tomoda, Y., Kato, M., Ashihara, H.: "Metabolism of purine bases, nucleosides and alkaloids in theobromine-forming Theobroma cacao leaves"Plant Physiol.Biochem.. 41. 977-984 (2003)
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[Publications] Kato, M., Mizuno, K.: "Caffeine synthase and related methyltransferases in plants"Frontiers in Bioscience. 9. 1833-1842 (2004)