2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物細胞内におけるアクチン系細胞骨格の高次構築機構の解明
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14540599
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
横田 悦雄 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80212299)
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Keywords | アクチン / アクチン結合タンパク質 / ビリン / カルモジュリン / ユリ / 花粉 |
Research Abstract |
ユリ花粉管に存在する2種類のビリン(P-135-ABPとP-115-BP)が、Ca^<2+>依存的にG-アクチンに結合することを、DNase Iアフィニティーカラムを用いて検証した。ユリ花粉管から得たアクチンやビリンなどを含む粗抽出画分を、Ca^<2+>存在下でカラムにアプライしてEGTAを含む溶液で溶出させたところ、135-kDa成分と115-kDa成分が溶出されてきた。ビリン抗体を用いたイムノブロットによって、両成分はそれぞれP-135-ABPとP-115-ABPであることがわかった。従って、両ビリンは、Ca^<2+>存在下においてG-アクチン結合活性を有することが明らかになった。この両ビリンを含む画分にCa^<2+>存在下でG-アクチンを加えたところ、G-アクチンの重合が加速された。電子顕微鏡でそれらの状態を観察したところ、G-アクチンのみではスポンティーニアスに重合したF-アクチンがまばらに存在するのに対して、ビリン存在下ではF-アクチンの束が観察された。ビリンの束化活性は、Ca^<2+>カルモジュリン(CaM)によって阻害されることを既に報告している。そこで、Ca^<2+>存在下でG-アクチンにビリンと共にCaMも同時に添加すると、アクチン重合は更に加速された。この状態を電子顕微鏡で観察すると、数多くのF-アクチンが散在していた。これらの結果から、植物ビリンはCa^<2+>存在下でG-アクチンと複合体を形成するともに、それがアクチン重合の核となりうることが明らかになった。 また、Ca^<2+>-CaM存在下で、F-アクチンにビリンを加えることによって、F-アクチン量が減少する、つまり脱重合が引き起こされることが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Tominaga: "Higher plant myosin XI moves processively on actin with 35 nm steps at high velocity."EMBO J.. 22. 1263-1272 (2003)
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[Publications] E.Yokota: "Possible involvement of energy metabolism in the change of cytoplasm organization induced by a protein phosphatase inhibitor, calyculin A, in root hair cells of Limnobium."Protoplasma. 221. 217-226 (2003)
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[Publications] E.Yokota: "Plant 115-kDa-actin-filament-bundling protein, P-115-ABP, is a homologue of plant villin and is widely distributed in cells."Plant Cell Physiol.. 44. 1088-1099 (2003)
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[Publications] T.Nishimura: "A semi-dominant mutation in the ACT2 gene affects the root hair development in Arabidopsis."Plant Cell Physiol. 44. 1131-1140 (2003)
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[Publications] E.Yokota: "21-kDa polypeptide, a low molecular weight cyclophilin, is released from pollen grain of higher plants into extracellular medium in vitro."Planta. (印刷中).
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[Publications] T.Shimmen: "Cytoplasmic streaming in plants."Curr.Opin.Cell Biol.. 16(1). 68-72 (2004)