2002 Fiscal Year Annual Research Report
液胞型V-ATPaseサブユニットアイソフォームの生理的意義
Project/Area Number |
14540600
|
Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
池田 己喜子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (20112154)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 恵 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (80254564)
|
Keywords | V-ATPase / サブユニットアイソフォーム / 発現 / 酵母 / 機能 / ペプチド抗体 / カサノリ |
Research Abstract |
1.カサノリV-ATPaseサブユニットアイソフォームの酵母細胞での発現及び機能解析 a) ade変異を持つ酵母VMA11及びVMA1欠損株の作製:VMA11あるいはVMA1破壊株とade/ura変異株を接合させ、胞子形成、ランダム胞子選抜により目的の三重変異株を作製した。 b) proteolipid subunitアイソフォームのVMA11株での発現及び機能解析:カサノリV-ATPase, protoolipid subunitには6種類のアイソフォーム(VC1-VC6)が存在し、一次構造からは二つのグループに分類される(VC1&3及びVC2,4,5,6)。この二つのグループの代表としてVC3,VC5をVMA11欠損株で発現させ、液胞の酸性化が回復するかどうかを蛍光顕微鏡で観察した。その結果、恒常的に発現する酵母発現ベクターを用いた場合、液胞の酸性化が弱く観察され、その蛍光強度はVC3>VC5であった。更に、機能回復を明確に観察する目的で、誘導可能で大量発現をかけられる酵母発現ベクターに組み込んだVC3,VC5の形質転換体を得た。今後、液胞の酸性化の観察を進めていく。 以上の結果から、VC1,3のグループはVma11pとして機能し、VC2,4,5,6のグループはVma3pとして機能することが示唆された。 II.カサノリV-ATPase, proteolipid subunitアイソフォームに特異的なペプチド抗体の作製 6種類のアイソフォームの一次構造の比較から、N末端領域にそれぞれのアイソフォームを識別できる配列を選択し、オリゴペプチド6種類を委託合成した。現在、ウサギを用いて、それぞれペプチド抗体の作製を進めている。本年5,6月にはすべてのペプチド抗体が得られる予定である。これらの抗体を用いたカサノリ細胞でのアイソフォーム局在性を免疫組織学的に検討していく。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Mikiko Ikeda et al.: "Expression of V-ATPase proteolipid subunit of Acetabularia acetabulum in a VMA-3deficient strain of S. cerevisiae and study of its complementation"Eur. J. Biochem.. 268. 6097-6104 (2001)
-
[Publications] Mikiko Ikeda et al.: "Functional expression of Acetabularia acetabulum vacuolar H^+ -pyrophosphatase in a yeast VMA3-deficient strain"J. Exp. Bot.. 53. 2273-2275 (2002)
-
[Publications] 中西洋一, 池田巳喜子, 前島正義: "植物細胞で働くポンプ・トランスポーター・チャネル研究の新展開 2.液胞型プロトンポンプの構造と細胞機能"細胞工学別冊「植物細胞工学シリーズ」18 (印刷中). (2003)