2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14540618
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山内 兄人 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (10053357)
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Keywords | 性分化 / ロードーシス / 中隔 / エストロゲンβ受容体 / 神経とレーサー / ペプチド神経伝達物質 / セロトニン / ラット |
Research Abstract |
1.エストロゲン投与又は非投与の雌雄卵巣除去ラット中脳中心灰白質に逆行性トレサーを注入し、外側中隔中間部の逆行性トレーサー陽性細胞数を測定したところ、雌のほうが雄に比べて多くみられた。また、エストロゲンα受容体またはβ受容体の二重免疫染色を行い、中隔外側部の神経細胞におけるエストロゲン受容体の発現を調べた結果、中隔外側部においては、β受容体含有細胞のほうがα受容体含有細胞より多く、また、どちらもエストロゲンの有無には影響されなかった。対照部位として同様の染色を行った視索前野では、α受容体もβ受容体もあり、α受容体陽性細胞数はエストロゲンがないほうが多かったがβ受容体陽性細胞は変りがなかった。逆行性トレーサーとβ受容体二重染色を行った結果、二重染色陽性細胞数の逆行性トレーサ陽性細胞総数に対する割合は雌雄とも20パーセント以下で、有意な違いはなかった。 2.外側中隔に存在すると考えられる、GABA,ニューロテンシン、NPY,エンケファリン、などの神経伝達物質の分布を免疫組織化学法で調べ、中脳中心灰白質にFGを注入した動物でもそれらの神経伝達物質とFGの二重免疫染色を行なって、中隔ロードーシス抑制回路の神経伝達物質の同定をこころみた。ニューロテンシン、GABA外側中隔に多量に見られたが、FGとの二重染色されるものは少なかった。また、エンケファリンがある程度見られたが、やはり二重染色されるものはなかった。従って、中隔外側部の抑制力はそれらのニューロンによりもたらされるものではないと考えられる。 3.雄ラットの背側縫線核を破壊し、ロードーシス行動テスト後、前脳のセロトニン領を測定した。破壊しない雄と比較した結果、中隔、視索前野、視床下部腹内側核などロードーシス制御に関わる部分のセロトニンはすべて減少した。一方、それらの部位セロトニン量は雌のほうが多いことが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tukahara, S., Yamanouchi, K.: "Sex difference in septal neurons projecting axons to midbrain central gray in rats : A combined double retrograde tracing and ER-immunohistochemical study"Endocrinology. 143(1). 285-294 (2002)
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[Publications] Kakeyama, M, Umino, A., Nishikawa, T.Yamanouchi, K.: "Decrease of serotonin and metabolite in the forebrain and facilitation of lordosis by dorsal raphe nucleus lesions in male rats"Endocrine J.. 49(5). 573-579 (2002)
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[Publications] Tsukahara, S., Yamanouchi, K.: "Distribution of glutamic acid decarbosylase, neurotensin, enkephalin, neuropeptide Y. And cholecyctokinin neurons in the septo-preoptic region of lmale rats"J. Reporod. Develop. 49(1). 67-77 (2003)
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[Publications] 山内兄人: "勃起のメカニズム(男性ホルモンの関与も含めて)"日本臨床. 60. 65-70 (2002)