2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540618
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山内 兄人 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (10053357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸喜 富 早稲田大学, 人間総合研究センター, 助手 (70350436)
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Keywords | 脳の性分化 / 新生期エストロゲン / ロードーシス / 中隔 / 中脳中心灰白質 / 5HT1A受容体 / ゲニステイン / ラット |
Research Abstract |
1.中脳中心灰白質に神経投射している外側中隔の神経細胞が雌特有の性行動であるロードーシスを抑制していること、その神経細胞数は雌のほうが多いことを昨年度報告した。今年は出生後のエストロゲンがをロードーシス抑制力をつくる神経細胞数にどのように影響を与えるか調べた。出生5日目の雌ラットに50または100μgのestradiol benzoate (EB)を投与し、出生60日目に卵巣除去後、ロードシスの発現をみた。その後、中脳中心灰白質に逆行性トレーサーをいれ免疫陽性神経細胞数の測定を行った。その結果、EB量に逆比例してロードーシス発現能力低下し、免疫陽性細胞数も逆比例に減少した。これらの結果から、外側中隔の中脳中心灰白質に神経投射している神経細胞は出生直後のエストロゲンにより減少することが明らかになった。この減少がロードーシス低下とどのように関連するのかまだ明らかになっていない。 2.ロードーシス制御に下位脳幹のセロトニン神経が抑制的に働いており、それが性差の原因の一つでもある。そのセロトニン受容体には7種あるが、その中の、5HT1Aの受容体の働きを明らかにするために、種々の量の3種類の作動剤:+または+-の80H-DPAT、buspironeを卵巣除去ラットに投与し、性行動の発現を調べた。その結果、buspironeよりも、両80H-DPATのほうが、ロードーシス抑制効果が強いことが示された。また、経時的実験により作用は1時間以上みられた。自発運動量も調べた結果、ロードーシス抑制効果との関係はみられなかった。したがって、5HT1A受容体はロードーシスの抑制的作用に関わっていることが明らかとなった。 3.大豆含有エストロゲン様物質であるゲニステイン1mgを出生後から5日間雌ラットに投与すると、性周期が消失し、ロードーシスが低下することも明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tsukahara, S., Ezawa, N., Yamanouchi, K.: "Neonatal estrogen decreases neural density of the septum-midbrain central gray connection underlying the lordosis-inhibiting system in female rats."Neuroendocrinology. 78(4). 226-233 (2003)
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[Publications] Kishitake, M., Yamanouchi, K.: "Effects of highly or relatively selective 5HT1A receptor agonists on lordosis in female rats"Zool Sci.. 20(9). 1133-1138 (2003)
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[Publications] Kouki, T., Kishitake, M., Okamoto, M., Oosuka, I, Takebe M., Yamanouchi, K.: "Effects of neonatal treatement with phytoestrogens, genistein and daizein, on sex difference in emale rat brain function : estrous cycle and lordosis"Horm, Behav. 44(2). 140-145 (2003)
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[Publications] 山内兄人: "脳の人間科学"コロナ社. 267 (2003)