2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540618
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山内 兄人 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (10053357)
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Keywords | 性行動 / 母性行動 / セロトニン神経 / 5-HT1A受容体 / 新生期エストロゲン / 性差 / GABA受容体 |
Research Abstract |
ロードーシスに対するセロトニン拮抗剤の作用:縫線核のセロトニン(5-HT)神経はロードーシス発現に抑制的に働いており、それが性差の原因の一つでもある。昨年は5-HT1A受容体の3種類の作動剤を雌ラットに投与し強い抑制効果があることを報告した。本年度は5-HT1A受容体拮抗剤であるWAY-100635(10mg/kgBW)をエストロゲン投与卵巣除去投与して影響をみた。その結果、ロードーシス発現が明瞭に確認された。また、その効果が1時間は持続することをみた。さらに、ロードーシスはセロトニン神経とGABA神経によって制御されているが、GABAb受容体であるbaclofen(10mg/kg)を投与されたラットに10mg/kg WAY-100635を投与するとロードーシスが促進されたが統計的な差がみられず、両者の関係に結論をつけることはできなかった。 幼若ラットの母性行動発現とエストロゲンの効果:20日齢の雌雄ラットにおける母性行動(レトリービングやリッキング)の発現を調べた結果、リッキングは雄も雌も80%前後が示し、レトリービングは雄で50%、雌で20%弱でみられた。これは成熟ラットとは逆に、幼若ラットでは雄のほうが良く母性行動をすることを示すものである。さらに、出生30日と45日に母性行動を調べた結果、30日でレトリービングとリッキングの発現率が急激に減少し両性とも15%ほどになった。したがって、出生20日から30日の間に脳の母性行動制御機構に変化が生じていると考えられる。また、出生5日目に1mgのエストラジオールを投与された雌ラットの20日目のレトリービングとリッキングの発現率は雄と同じ程度に高いものであった。これは幼若ラットの母性行動の性差形成に新生期のエストロゲンが関与していることを示すものである。
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Research Products
(4 results)
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[Book] 女と男の人間科学2004
Author(s)
山内兄人(編著)
Total Pages
204
Publisher
コロナ社
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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