2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14540621
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
小林 亨 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (30221972)
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Keywords | 減数分裂 / 精子形成 / サイクリンA / DMC1 / サイクリンB3 / 卵形成 / ウナギ / ティラピア |
Research Abstract |
本研究は、減数分裂開始の前後で時期特異的発現変化を示す、Dmc1、サイクリンA1、A2の減数分裂期における機能解析に焦点を絞って、in vivo、「精原細胞をマニュピレートして減数分裂へと移行させるin vitro系」を駆使して生殖細胞分化の分子機構という観点から主に精子形成細胞の「減数分裂開始/進行の分子メカニズム」を明らかにする。今年度は、以下の事を行った: 1)ウナギを用いたin vivo、in vitro系において減数分裂を誘起する過程で、時間、空間的にDmc1、A1、A2サイクリンがどのように発現するかを調べるために、A1,A2にそれぞれ特異的な抗体の作製を試みた。現在、これらの抗体と既に作製済みのDmc1特異抗体を用いて解析中である。またDmc1に先行して減数分裂期に特異的に発現するサイクリンとしてサイクリンB3を得た。現在これに対する特異抗体を作製中で、既に抗体のあるサイクリンB1、B2とあわせてDmc1、A1、A2と共に減数分裂開始・進行過程における動態を解析する。 2)減数分裂開始の前後におけるA型サイクリンの発現制御機構を明らかにするためにA1,A2の5'上流域をそれぞれ、約3kbをクローニングした。モチーフ解析から、A1を減数分裂期に特異的に発現させるような明瞭なエレメントは見つからなかった。現在、レポーターアッセイ法により転写制御領域をcharacterizeすることを試みている。またメチル化による転写制御の可能性が考えられるので、メチル化についても検討しているところである。 3)ティラピアのXXの未分化初期生殖腺を器官培養条件下で、減数分裂の開始を再現すること(卵形成過程の減数分裂)が可能となった。
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[Publications] Kobayashi, T.et al.: "Two isoforms of vasa homologs in a teleost fish : Their differential expression during germ cell differentiation"Mechanisms of Development. 111. 167-171 (2002)
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[Publications] Kobayashi et al.: "Up-and down-regulated genes after the induction of XY sex-reversal by estrogens in a teleost, tilapia, 0. niloticus"Zoological Science. 19. 1438 (2002)