2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540629
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
後藤 寿夫 徳島大学, 総合科学部, 教授 (90035692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 眞 徳島大学, 総合科学部, 教授 (40128369)
真壁 和祐 徳島大学, 総合科学部, 教授 (60222288)
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Keywords | ヘモグロビン / 環形動物 / 多毛類 / 超分子 / 適応進化 |
Research Abstract |
アオゴカイ(Perinereis aibuhitensis)のヘモグロビンは、血液中に浮游しており、分子質量が約3,500kDaに達する超分子で、4種類のグロビン鎖(a,A,b,B)と2種類の非ヘム鎖から構成されている。グロビン鎖のアミノ酸配列については既に報告済みである。 今年度は、4種類のグロビン鎖について、シグナルペプチドの領域を含む完全長のcDNAを決定し、それを基にグロビン鎖のmRNAがどの組織で発現しているかを検討した。 既知のアミノ酸配列を基にプライマーを設計し、RT-PCR法などにより各グロビン鎖に対応する完全長のcDNAを得た。その配列から推定される4種のグロビン鎖のアミノ酸配列は、既にEdman法によって決定されている配列とよく一致したが、A鎖、b鎖およびB鎖ではC末端のアミノ酸残基がひとつプロテイン・シーケンサでは見落とされていたことが分かった。この配列から算出される分子質量はESI-MSで算出される分子質量と1Daの誤差範囲で一致した。A鎖と12残基異なるA2鎖に対応するmRNAの存在も確認され、さらにA鎖とA2鎖のmRNAが同一個体に存在していることも明らかになった。また、RT-PCR法によりグロビン鎖のmRNAはアオゴカイの全身に渡って存在することが確認された。より詳しい発現組織を同定するため、種々の組織や血液を調べたところ、血球細胞でグロビン鎖mRNAが発現していることを強く示唆するデータが得られた。 なお、この成果は5月に開催されるの動物学会中国支部会で発表の予定である。
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Research Products
(1 results)