2004 Fiscal Year Annual Research Report
III-V族希薄磁性半導体のSiヘテロエピタキシーとその制御に関する研究
Project/Area Number |
14550005
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
内富 直隆 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20313562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
打木 久雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50142237)
山崎 誠 長岡工業高等専門学校, 教授 (90174474)
神保 良夫 長岡技術科学大学, 工学部, 教務職員 (10134975)
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Keywords | GaMnAs-on-Si / 磁気異法性 / 磁気抵抗 / アンチフェーズドメイン |
Research Abstract |
本研究は、希薄磁性磁性半導体(Ga,Mn)AsのSi基板上へのヘテロエピタキシャルとその電気的・磁気的性質を調べ、Si集積回路への応用を検討することを目的にしている。(Ga,Mn)Asの磁気異方性に関していえば、多くの研究機関が研究に取り組んでおり、徐々にその特性が明らかになりつつあるが、Si基板上の(Ga,Mn)As層については、未だ明らかではない。この系では、格子不整合起因の応力、欠陥、逆位相領域(アンチフェーズドメイン)等による影響により、GaAs基板上とは異なる磁気的特性を持つと考えられる。そこで、今年度の課題としてSi基板上に成長した磁性半導体(Ga,Mn)As膜の磁気抵抗測定により、その磁気異方性を調べた。 試料は、Si(001)基板上に120nm厚の(Ga,Mn)As層を分子線エピタキシーにより成長した。Si基板を取り除いた試料とのRaman散乱測定の比較により、およそ10^<10>dyn/cm^2の圧縮応力が加わっていることを確認した。面内の磁気抵抗は、[110]、[-110]、[100]、[010]と磁場の向きを変化させて測定を行い、熱処理を行った試料と比較した。また、面に垂直に磁場を印加させた場合の磁気抵抗についても同様の測定を行った。より詳細なデータをとれるようにするため、測定系は、コンピュータによる完全制御ができるように新たにプログラミングをし改良を加えた。 as-grownの試料では、[110]と[-110]に二軸の容易軸が存在することが分かった。また、熱処理を施すと、磁気容易軸が<110>、<100>方向すべてにおいて等方的になった。この結果は、(Ga,Mn)AsをGaAs基板上に成長させた場合にみられる[110]、あるいは[-110]の一軸異方性、および<100>の二軸異方性とは一致しない。これは、無極性基板上に成長した極性半導体に特有なアンチフェーズドメインの存在に起因すると考えられる。 本研究から、(Ga,Mn)As/Siではアンチフェーズドメインと圧縮応力が(Ga,Mn)As膜の磁気特性に強い影響を及ぼしていることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)