2003 Fiscal Year Annual Research Report
X線CTR散乱測定法による半導体中の不純物分布の原子層レベル解析
Project/Area Number |
14550007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田渕 雅夫 名古屋大学, 工学部, 助教授 (90222124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大渕 博宣 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (40312996)
藤原 康文 大阪大学, 工学研究科, 教授 (10181421)
竹田 美和 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20111932)
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Keywords | X線CTR散乱測定 / 不純物原子分布 / 原子層単位の原子分布 / 放射光 / 可搬な測定系 / X線散乱の計算機シミュレーション / アライメント調整法の確立 / In原子の拡散 |
Research Abstract |
半導体を利用したデバイスは微細化の一途を辿っており、膜厚や機械的な形状だけではなく、内部の不純物レベルの濃度プロファイルもまた同じ精度で制御される必要がある。これを制御するには、原子層の単位で原子物濃度プロファイルを測定する技術を確立する必要がある。そこで本研究では、X線回折測定の一種であるX線CTR散乱法を応用し、「不純物分布を原子層単位で測定する技術を確立すること」を目的とした。 研究の始点として、基礎的なシミュレーションをより詳細に進め、不純物原子分布をより感度良く測定できる測定条件を検討した。また、不純物レベルの原子分布を測定するためにはより高強度のX線源を必要とする。従来より測定には放射光を利用しているが、少しでも強い放射光が利用できるビームラインを少しでも長い時間利用する必要がある。 そこで、X線CTR散乱測定に必要な測定系のうち、X線源部分を除いた「試料回転系(ゴニオメータ)とX線回折強度測定系」のみを独立させて小型にまとめた装置を作製し、可搬なものとすることで強力なX線源が利用可能な機会を無駄なく利用できるようにした。 一方で、この様な可搬な装置は、移動のたびに、アライメントを高い精度で合わる必要がある。これに必要な時間を短縮するため、測定系のアライメントをとる操作が簡便にできるシステムやそのための手続きの開発も重要であった。 平成14年度は、この様な基礎的な環境を整えることを中心に力を費やした。 平成15年度には、実際の測定を試みた。測定は、従来測定していた半導体ヘテロ接合系から出発し、1MLレベルの薄膜の測定、更にはGaAs表面からInを拡散させた系の測定を試み、これに成功した。
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[Publications] M.Tabuchi, H.Kyouzu, M.Takemi, Y.Takeda: "Composition dependences of InP/InGaAsP/InP interface structures analyzed by X-ray CTR scattering measurements"Appl.Surf.Schi. 216. 526-531 (2003)
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[Publications] M.Tabuchi, M.Araki.Y.Takeda: "Thermal stability of GaAs/InAs/GaAs heterostructure studied by X-ray crystal truncatiojn rod scattering measurements"Jpn.J.Appl.Phys. 41. 1090-1093 (2002)