2002 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化ブロックポリマーを用いた被覆型導電性ナノワイヤーの開発
Project/Area Number |
14550011
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
南川 慶二 徳島大学, 工学部, 助教授 (70250959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 健 徳島大学, 工学部, 助手 (70335785)
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Keywords | ポリパラフェニレンビニレン / 導電性 / ナノ導線 / 液晶 / 電場配向 / レオロジー / 感熱性高分子 / 自己組織化 |
Research Abstract |
液晶性高分子としてポリパラフェニレンビニレン(PPV)に着目し、π共役が飽和に達した長さである10量体程度のものを合成した。これを末端アミノ化されたポリエチレングリコール(PEG)と連結させた後、還元することでブロックポリマーを得た。これをTHFに溶解し、PEGに対する選択溶媒である水を加えた。UVスペクトル測定からPPV吸収のブルーシフトと淡色効果が観察されたことと、蛍光スペクトル測定からPPV部の消光が観察されたことから、PPVの会合が示唆された。ポリマーのTHF溶液をキャストし乾燥させた状態でTEM観察を行ったところ、直径が十nm程度で長さが数百nmのひも状の集合体が観察された。直径がPPV二分子分に相当することから、ひも状集合体の軸方向に対して垂直にPPVが並んでいることが示唆された。次にAFM観察を行ったところ、直径20nm程度のひも集合体が確認されたことから、TEMではコアだけが、またAFMではシェルのPEG鎖も含んだ構造が観察されたものと考えられる。ブロックポリマーのDSC測定を行ったところ、PEGおよびPPVのTmに由来する吸熱が現れた。偏光顕微鏡観察を行ったところ、50〜150℃の間で液晶相を示した。以上の結果より、PPV-b-PEGが会合して液晶相を示しうるほど剛直なひも状集合体を与えることが分かった。 上記の実験と並行して、本研究の基礎となる高分子の自己組織化に関する種々の知見を蓄積することを目的として、新規感熱性高分子の合成と温度変化による凝集体形成を、主として可視光透過率およびレオロジー測定によって検討した。また、電場によって集合構造が変化する高分子液体の合成を行い電場下での構造形成とレオロジー特性などの物性を検討した。
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