2004 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化ブロックポリマーを用いた被覆型導電性ナノワイヤーの開発
Project/Area Number |
14550011
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
南川 慶二 徳島大学, 工学部, 助教授 (70250959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 健 徳島大学, 工学部, 助手 (70335785)
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Keywords | ポリパラフェニレンビニレン / ポリエチレングリコール / 導電性 / ナノ導線 / 感熱応答 / 電場応答 / 自己組織化 |
Research Abstract |
ポリパラフェニレンビニレン(PPV)とポリエチレングリコール(PEG)とのブロックポリマーおよびグラフトポリマーの合成を行った。得られたブロックポリマーを良溶媒に溶かし、PPVに対して貧溶媒でありPEGに対して良溶媒である極性の高い溶媒を少しずつ加えていくことにより自己組織化を促した。キャストフィルムの透過型電子顕微鏡観察を行った結果、直径10nm程度、長さ100nm以上のナノワイヤーが形成されていることが明らかとなった。UVおよび蛍光スペクトル測定によって、PPV部が不溶化して会合していることが示唆された。また、THF/水の混合溶媒中において、ブロックポリマーにPPVホモポリマーを混合させるとPPVホモポリマーを可溶化させることが明らかとなった。グラフトポリマーについても合成に成功し、上記ブロックポリマーと同様の自己組織化材料として用いることが可能と考えられる。以上の結果に基づき、ワイヤー調製時の溶媒組成やポリマー濃度を調整することにより、ワイヤーの形状を任意に作り分けるための基礎的技術を確立した。 上記の実験と並行して、PPV以外の系についても、自己組織化による高分子集合体の調製を種々検討した。PEGの末端をウレタンなどの疎水性官能基で修飾した化合物を種々合成し、電場下でのレオロジー特性を測定した結果、集合体が電場下でマクロな凝集構造を形成し、粘度が増大するエレクトロレオロジー流体として利用できることが明らかとなった。また、末端に種々の疎水基を導入したPEGの水溶液を講製し、温度応答による自己組織化を可視光透過率などの手法で検討した。前年度までに行ってきたポリアシルアミノアクリル酸アルキルなどのビニル系ポリマーとともに、温度によって高分子の自己組織化を制御できることから、種々の高分子のナノワイヤーに適用できる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)