2003 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー白色SR平行マイクロビームの形成と素子局所構造の顕微イメージング
Project/Area Number |
14550012
|
Research Institution | Kyushu Institute Of Technology |
Principal Investigator |
近浦 吉則 九州工業大学, 工学研究科, 教授 (40016168)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 芳文 九州工業大学, 工学研究科, 助教授 (10206550)
|
Keywords | X線トポグラフィ / マイクロビーム / シンクロトロン放射光 / X線散乱トポグラフィ / 化合物半導体 / 白色高エネルギーマイクロビーム |
Research Abstract |
半導体集積回路などの局所構造を明らかにするときにシンクロトロン放射光(SR)マイクロビームが使われ始めているが、現在マイクロビームとして実現しているものは結晶ブラッグ反射、ミラー反射、フレネルゾーンプレート利用などによる集光化のために、原理的必然的に単色または準単色、または低エネルギー白色に限られている。しかし結晶構造解析では白色スペクトルによる構造解析の分野が確立しているほど、連続スペクトルには有益性がある。そこで本研究では第3世代放射光施設Spring-8の高エネルギー白色放射光のマイクロビーム形成技術の確立とそれによる走査型散乱トポグラフィを電磁鋼やSiCならびにGe中の転位の高分解能観察を実行しようとするものである。 これに関して、これまでに達成した白色高エネルギー5μmマイクロビームのスリットによる回折と集光相乗効果の特性を測定する方法を確立した。昨年、スリット回折集光効果によるビーム径とスリット位置との関係の理論曲線と予備的な実測対比を行い、集光効果の存在をより確かなものにして。この実験によって、5μmスリットによって約3μmマイクロビームを形成できることを実証した。具体的には、白色高エネルギーSRマイクロビームを、シャープなエッジを持つGaAs単結晶を一方向に走査しつつ結晶からの回折強度を測定することにより、ビーム径を測定した。この独自の新しい測定法によって、エネルギーごとのビーム径を正確に測定することができた。この結果はX-TOP2004(プラハ、チェコ共和国)で発表予定である。このマイクロビームの特性を活かして、電磁鋼に関してはサブグレン、シリコンインゴット単結晶、GaAsウェーハー、CeInCu2ホイスラー合金単結晶の構造分布の可視化イメージングを行い、成功した。
|
-
[Publications] M.Yasumoto, E.Ishiguro, Y.Chikaura, et al.: "X-Ray Microscopy Project at Saga SLS"Journal of Physics. IV・104. 63-66 (2003)
-
[Publications] 安本正人, 近浦吉則, 石黒英治: "佐賀LSと軟X線イメージング"高分子. 2・53. 62-65 (2004)