2002 Fiscal Year Annual Research Report
空間・次元制御されたナノ相分離構造を利用した量子光デバイスの創成
Project/Area Number |
14550013
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大石 祐司 佐賀大学, 理工学部, 教授 (70194074)
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Keywords | 多成分系 / 単分子膜 / 相分離 / シアニン色素 / 脂肪酸 / 励起子 / プローブ顕微鏡 / 量子閉じ込め |
Research Abstract |
シアニン色素(3,3-ジオクタデシル-2,2-オキサシアニン過塩素酸塩)とアルキル鎖長の異なる脂肪酸(パルミチン酸、アラキジン酸、リグノセリン酸、モンタン酸)から成る混合単分子膜の分子凝集形態を原子間力顕微鏡観察に基づき、また、吸収特性を分光法に基づき評価し、圧縮過程における両分子の凝集状態を検討した。この混合単分子膜では脂肪酸のアルキル鎖長に関わらず、低表面圧でのドメイン-マトリックスから成る不均一形態が圧縮にともない均一化した。膜厚評価の結果から、ドメインとマトリックスは両分子のコンホメーションの差違により生じ、シアニン色素と脂肪酸とが各々凝集した領域に相分離しているのではないことが明らかとなった。また、溶液展開時から三次元凝集体が膜中に形成され、これを核としてドメインが形成される。さらに、均一形態からさらに圧縮すると、シアニン色素環が水面に対して垂直に立ち上がることで環がスタッキングされ、分子は配向を揃えながら密に充填されることで、スペクトル上で400nmに鋭い反射ピークを有するJ会合体が形成されることが明らかとなった。なお、この圧縮過程においてナノメートルオーダーの帯状形態が発見され、初めて形態学的にJ会合体の形成が確認された。
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[Publications] Y.Oishi, H.Arima, K.Suehiro, M.Era: "Morphological and optical studies for a multi component monolayer of cyanine dye and fattya cid"Thin Solid Films. (in press).