2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550019
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
今尾 浩也 松江工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教授 (50203310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 浩介 松江工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (60249836)
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Keywords | Bi系超電導体 / 単結晶 / 臨界電流密度 |
Research Abstract |
Bi-Sr-Ca-Cu(Bi系)酸化物超伝導体の工学的な応用のためには、超伝導体に流す電流を格段に向上させる必要がある。従来、超伝導体における臨界電流密度(Jc)の向上には多結晶体を用いた研究が進められ、線材応用では結晶の配向化によって実用レベルのJcが得られるようになっている。しかし、結晶配向の最も進んだ形態であるバルク単結晶においては高いJcが得られていない。これは、量子化された磁束をトラップするためのピンニングセンターが単結晶では基本的に形成できないためと考えられる。 初年度の最初の作業として超大型Bi系酸化物超伝導単結晶の育成システムの構築を行った。このシステムはガス雰囲気をコントロールできる大型の電気炉を、コンピュータにより精密に温度制御することが可能な高温熱処理装置として設計・製作した。残念ながら、研究費の交付が11月になった関係で、本年度は電気炉システムの購入とその調整・整備に時間をとられ、実際の大型単結晶の育成にはまだ至っていない。これは、新電気炉システムにおける育成条件の最適化にかなり時間がかかり、単結晶の大型化への様々な要因を検討する必要があるためである。従って、本年度は従来のシステムにより育成した単結晶を用いての実験となっている。 単結晶自体の超伝導特性等の測定システムについては従来購入してある機器を利用してある程度のものを構築することが出来た。これらのシステムを利用して育成した単結晶の超伝導転移温度を測定し、概ね80K程度の転移温度を持つ単結晶が出来ることを確認した。このシステムを利用して単結晶の臨界電流密度の測定システムを現在構築中である。 研究費交付時期が遅れた関係から本年度はシステム作りの段階を出ておらず、明確な研究成果が上がっていないのが現状である。しかし、システム自体の完成度も高まっていることから、2年目には研究の推進による新たな知見が得られる見通しが立っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hiroya IMAO, Satoru KISHIDA: "Re-Growth of Large Bi-2212 Single Crystals by a Self-Flux Method"Physica C. 378-360. 660-663 (2002)
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[Publications] Hiroya IMAO, Satoru KISHIDA: "EFFECT OF STARTING POWDERS ON THE GROWTH OF LARGE Bi-2212 SINGLE CRYSTALS"Superconductivity and Superconducting Materials Technologies. (掲載決定).
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[Publications] 深野秀丸, 今尾浩也 他: "大型るつぼによるBi系超電導単結晶の大量育成"電気情報関連学会中国支部第53回連合大会講演論文集. 53. 124 (2002)
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[Publications] 今尾浩也, 西村剛範, 竹本顕信: "低酸素雰囲気焼結によるBi-2223相超伝導セラミクスの単相化"第50回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. (掲載決定).
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[Publications] K.Matsumoto et al.: "Preparation of Bi_2Sr_2Ca_<n-1>Cu_nO_y Superconducting Sputtered Films using He gas"Singapore Journal of Physics. 18. 227-231 (2002)
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[Publications] K.Matsumoto et al.: "Growth of Bi_2Sr_2Ca_2Cu_3O_y Superconducting Films using the radio-frequency Magnetron Sputtering Method"Supercond.Sci.Technol.. 15・12. 1757-1759 (2002)