2002 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン電界放射電流時間分解による表面吸着子挙動のピコ秒台観察
Project/Area Number |
14550027
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡鍋 文哉 九州大学, 工学研究院, 講師 (30264063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本岡 輝昭 九州大学, 工学研究院, 教授 (50219979)
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Keywords | Field Emission / Surface Diffusion / Surface Vibration / Ulatrafast Dynamics / Silicon |
Research Abstract |
FEMにより、シリコン(110)、カーボンナノチューブ、ダイアモンド粒子からの電界放射電流の測定を行った。それぞれの温度変化に関する電流安定度の研究を行った。この結果と表面拡散による濃度変動を結びつけるためのモンテカルロシミュレーションを行った。 シリコン単結晶チップからの電界放射線をFFECにより超高速時間分解する実験を行った。時間分解能4ピコ秒程度まで可能となり、表面原子集合の揺らぎを観察する事は可能な時間分解能に達している。電子数不足によるノイズのため、この領域では強度変動の変化による原子振動解析は不可能である。少し遅い時間分解能(〜20ps)での結果をフーリエ解析することにより、ギガヘルツ程度の振動が観察されることがわかった。低電流下で、強度変動による表面ダイナミックス解明が不可能であっても、個々の電子を検出し、その待ち時間を解析すれば表面ダイナミックス観察が可能であることが判明した。これは、安定した表面からトンネルする電子間の時間を累計すると、その時間分布は指数関数で衰退するポワッソン分布となるべきである。我々の最速での実験(時間分解能:4ps)をこの方法で分析すると、表面での原子挙動を反映した振動シグナル(周期:27ps)が指数関数と共に存在することを発見した。この方法により、2桁以上の時間分解能の向上につながることが証明された。又、電子伝導率の低い半導体や吸着エネルギーの低い物理吸着をした系でも超高速で表面吸着子の挙動が観察可能になると推測される。現在、以上の実験結果のモンテカルロシミュレーションを行い、ノイズと検出可能な真のシグナルとの比を推定している。この方法により、我々が検出したシグナルがノイズである可能性は6.3x10^<-5>以下である事が判明した。
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[Publications] S.Hirayama, F.Watanabe, T.Takahashi, T.Motooka: "Field emission current from Si tip : ultra-fast time resolved measurements"Surface Science. 515. 369-376 (2002)