Research Abstract |
1.ミラー付導波路フィルム 15年度,「Built-in Mask法」を考案し,感光性コア材料層の斜め露光により,ミラー付き導波路フィルムの複製に成功したが,ミラー傾斜角度が57°と目標の45°とはかけ離れてしまうという問題があった.今年度,その原因が,斜め露光用UV光が基板に入射する際の屈折にあることをつきとめ,対策としてプリズムを介在させた斜め露光を試みた.その結果,傾斜角度45°のミラー作製に成功し,FFP観測から垂直反射動作を確認した.これにより,高密度・任意方位の45°ミラーを有する3次元光回路用導波路フィルムの一括複製プロセスを確立できた. 2.SORT モデルデバイス(ポリマ製100x120μm^2の矩形,線幅10μmのクロス形)を用いて2段階移植を試みた.選択的に粘着性を残したCatch-Up Siteを第一UV Tape基板上に形成し,その上にGelPak基板上にピックアップしたモデルデバイスアレイを圧着した.その結果,Catch-Up Siteに接したモデルデバイスのみ選択的にUV-Tape基板上に移植され,その他はGel-Pak基板上に残留した.さらに,UV-Tape基板背面からUV露光しCatch-Up Siteの粘着性を低下させることにより,移植されたモデルデバイスをCatch-Up Siteを形成した第二UV Tape基板上に再移植することができた.これにより,省資源・低コストデバイス集積化プロセスのコアとなるSORTを確立できた. 3.SOLNET 2本のシングルモード光ファイバを130μm離して対向させ,その間にPhotorefractive材料を配置し,両ファイバからUV光を入射させSOLNETを形成し,1.3-μm LD光に対する結合効率を測定した.その結果,位置ずれ8μmに対しても数10%の結合効率を保ち,Butt Jointに比べて結合効率が高く,トレランスが広いことを実験的に示した. 本研究プロジェクトにより,A-PCB・3D-MOSS向け要素技術開発に成功した.半導体プロセス技術が不十分であったため,目標としていたVCSEL・光スイッチの埋め込みには至らなかったが,今後引き続き,半導体研究グループとの連携や有機デバイスの導入によりA-PCB・3D-MOSS試作を行い,装置内・LSI内光配線,高速大容量光スイッチングの実現を図っていく.現在,(財)光産業技術振興協会「光集積技術フィージビリティ調査委員会」においてテーマ提言として働きかけを行うなど,A-PCB・3D-MOSS実現のための今後の施策を進めている.
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