2002 Fiscal Year Annual Research Report
生分解性プラスチックによる生体用複合材料の開発と骨構造体としての機能評価
Project/Area Number |
14550078
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
日和 千秋 神戸大学, 自然科学研究科, 助手 (80294198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 泰治 神戸大学, 工学部, 助教授 (40243323)
中井 善一 神戸大学, 工学部, 教授 (90155656)
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Keywords | 生分解性プラスチック / 複合材料 / 骨構造体 / 界面強度 |
Research Abstract |
高張力ポリ乳酸繊維の表面処理法を改善して,3molのNaOH水溶液を用いたところ,従来の方法に対して処理時間が1/30に短縮できた.また繊維表面のディンプルが300nm以下に微小化することで,繊維強度も増大したうえに,樹脂との接着性が改善され,作成した複合材の強度は複合則に達した. 本材料を37℃の生理食塩水に浸漬あるいは骨芽細胞様細胞MC3T3-E1を用いた培地といった,in-vitroの環境での生分解を行った.このときの樹脂の物理的な特性の変化を示差熱走査熱量計にて行った.その結果,生理食塩水中に浸漬したものは2週間では無処理材とほとんど変化がないが,2ヶ月後には少し分子量が低下して結晶化度が大きくなった.さらに融解熱量も増しており,アモルファスな部分から,加水分解が始まっているものと思われる.強度も5ヶ月後には1/3以下となった.これに対して骨芽細胞培地に2ヶ月置いた試料は,分子量が5%に低下し,融解熱量も大きな値を示した.また結晶化度も非常に大きくなっており,明らかに大部分が分解して,残りは結晶部分だけになったものと思われる.そして強度は2ヶ月でほぼゼロとなった. 以上のことから,体温の生理食塩水中では加水分解によって生分解するが,ほぼ5ヶ月間が必要なこと,また,骨芽細胞がある環境下では生分解が2ヶ月以内に早まることがわかった.この分解時間は体の部位により異なるものの,骨折後の骨生成による治癒時間と大差がなく,本材料は生体材料として使用可能な分解速度を有しているものと思われる. また本材料に前処理滅菌法として紫外線や高温高圧蒸気などを試したところ,EOガスによる処理で強度の低下がみられかった.また残留EOは真空処理で除去できて,その後の細胞の定着にも問題なかった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 日和千秋: "短繊維-熱可塑性複合材料の疲労の温度上昇に及ぼす応力比と界面接着性の影響"日本接着学会誌. 38・4. 116-123 (2002)
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[Publications] 日和千秋: "射出成形複合材料の疲労損傷に及ぼす圧縮応力の影響"神戸大学大学院自然科学研究科紀要. 20-B. 73-79 (2002)
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[Publications] Chiaki HIWA: "Evaluation of Interfacial Shear Stress in Composites by Stress Relaxation Test"Memoirs of Graduate School of Science & Technol., Kobe Univ.. 20-A. 129-134 (2002)
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[Publications] Yoshikazu NAKAI: "Effects of Loading Frequency and Environment on Delamination Fatigue Crack Growth of CFRP"International Journal of Fatigue. 124. 161-170 (2002)
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[Publications] 安達泰治: "骨-ステム界面の応力一様化に基づく人工股関節ステムの形状決定シミュレーション"日本臨床バイオメカニクス学会誌. 23. 405-410 (2002)
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[Publications] 安達泰治: "培養骨芽細胞のアクチンフィラメント構造と力学刺激応答のバイオメカニクス"生体医工学. 40. 52-53 (2002)