2002 Fiscal Year Annual Research Report
X線およびシンクロトロン放射光による薄膜の高温挙動その場観察
Project/Area Number |
14550081
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
英 崇夫 徳島大学, 工学部, 教授 (20035637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 真之 神戸市立工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (80332047)
日下 一也 徳島大学, 工学部, 助手 (70274256)
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Keywords | Cu薄膜 / 残留応力 / 熱応力 / 高温その場測定 / X線測定 / シンクロトロン放射光 |
Research Abstract |
LSIの配線材料として使用されるAlやCuの高温特性を調べるために,X線回折を利用して加熱状態での格子ひずみの測定を行っている。配線の微細化に伴って通常の実験室タイプのX線回折装置による測定は限界があると考えられるので,高輝度光科学研究センターのSPring-8から出るシンクロトロン放射光による測定も併せて実施している。 基本的な実験として,薄膜の内部応力測定を行い,通常のX線装置による測定限界の調査,さらにシンクロトロン放射光での極薄膜の応力測定への挑戦が本研究の大きな課題であり、まずCu膜に対する測定を行った。スパッタリング生成したC、薄膜に対して,実験室用のX線装置では100nmまでの厚さについての測定が限界であったが,シンクロトロン放射光を用い、また低角入射によりX線の侵入深さを稼ぐことによって10nmの厚さの応力測定が可能であることを明らかにした。 次に,加熱冷却に伴う膜の内部熱応力の変化挙動を調べるためにSi基板上に成膜した各種膜厚のCu膜、さらにその表面にAlNの保護膜をつけた試料を用意し,室温から300℃の範囲で加熱冷却を加え,実験室のX線およびシンクロトロン放射光による応力測定を開始している。上記の新しい測定方法を応用して極薄膜の加熱冷却過程における熱応力挙動を観察することにより,薄膜とバルク材の挙動の違いを明らかにする予定である。 加熱冷却に伴う熱応力その場測定では,保護膜の有無,Cu膜の厚さにより熱応力の変化挙動が異なることが明らかになっている。
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