2002 Fiscal Year Annual Research Report
高静水圧環境下における硬脆機能材料の微細切削加工特性
Project/Area Number |
14550095
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉野 雅彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (40201032)
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Keywords | 硬脆材料 / 精密切削加工 / 無欠陥加工 / 高静水圧 / 割れ / 延性モード切削 / ガラス / シリコン |
Research Abstract |
近年、サファイヤやシリコン、水晶などの材料を母材とした新しい機能材料やデバイスの開発が盛んに行われている。これらの機能材料の多くは硬脆材料であるため、その加工には主にラッピング、ポリッシングなどの研磨加工、およびフォトリゾグラフィやスパッタリングなど化学的加工が用いられている。ところがこれらの加工プロセスでは加工形状の自由度が低い、加工効率が低い、などの問題があり、今後の新機能材料の開発にとって大きな足枷となっている。 そこで本研究では、形状自由度が高くかつ高能率な微細加工を実現するために高静水圧環境を利用した硬脆材料の無欠陥切削加工方法を検討する。Bridgemanの研究によると高静水圧下では脆性材料でも延性が増し大きな塑性変形が可能であることが知られている。そこで本研究ではこの原理に基づいた無欠陥切削加工を実現するための高静水圧環境切削加工実験装置を開発し、その切削加工特性を検討する事により硬脆機能材料の新しい微細加工法を開発する事を目的としている。 本年度は高静水圧中で高精度な加工実験を行える装置の開発を行った。本装置は圧力チャンバー、4000気圧を発生する油圧システム、高圧チャンバー内に組み込む切削実験装置、コントローラからなる。精密な切削実験が行えるように高精度な工具ステージを新たに開発し、またそれをコントロールするモータドライブシステムを開発し、サブミクロンオーダーの切込み設定が行える切削実験装置を完成させた。またチャンバー中での切削状態をモニタリングするために4000気圧中で使用できる切削動力計を開発した。これらを装置本体に組み込み高静水圧下で安定して所定の切削実験が行えることを確認した。 また、米国の3つの大学を訪問し、最先端加工技術について情報収集を行った。
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Research Products
(1 results)