2003 Fiscal Year Annual Research Report
高速マイクロスピンドル用光学式回転精度測定装置の開発
Project/Area Number |
14550106
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三井 公之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90219668)
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Keywords | 主軸回転精度 / スピンドル / マイクロ工作機械 / マイクロファクトリー / 光計測技術 / 4分割フォトダイオード |
Research Abstract |
マイクロファクトリー技術の進展とともに,新しい加工計測技術が必要になってきている.マイクロスピンドルの回転精度評価法もその一つである.例えば旋盤による細径軸の切削加工では,切削速度を現状の値に維持するためにはスピンドルの回転速度を非常に高くする必要があり,既に20万rpmのマイクロスピンドルが実現されている.しかし,現状ではこのような高速回転スピンドルの回転精度を評価する測定法は確立されていない.このような観点から,本研究では高速マイクロスピンドルの回転精度測定法の開発を試みた. スピンドルに取付けたボールレンズあるいは鋼球を測定基準とし,半導体レーザから照射された光の4分割フォトダイオード上での光点の変位により軸の回転誤差を測定する.光学的な測定手法であることから電気的なノイズの影響を受けにくいこと,高速回転に対応できることなどが特徴として挙げられる. まず光学系の各種パラメータと測定感度の関連について考察した.測定感度に影響を及ぼす光学系のパラメータは,対物レンズの焦点距離,ボールレンズの半径,対物レンズとボールレンズ中心との距離,対物レンズと4分割フォトダイオードとの距離である.次に,本測定法では2種類の結像パターンが存在することを明らかにした.対物レンズの焦点がボールレンズの内側に位置する場合とボールレンズの外側に位置する場合である.入射光のビーム半径を1.0mm,4分割フォトダイオード上の結像光半径を0.1mmとして計算を行い,上述の光学系パラメータと測定感度,対物レンズ上のビーム半径,ボールレンズ上のビーム半径との関係を明らかにした. 以上の結果にもとづき測定装置を試作し,マイクロ旋盤の主軸回転精度測定実験を行った.また,比較のために,直径4mmの精密円筒コロを測定基準とし,静電容量型変位計を用いた実験を行い本研究で提案する測定法の妥当性を示した.
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Research Products
(1 results)