2002 Fiscal Year Annual Research Report
強力超音波キャビテーション照射によるノズルの流量調節加工
Project/Area Number |
14550115
|
Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
青柳 良二 仙台電波工業高等専門学校, 電子工学科, 助教授 (70123966)
|
Keywords | 超音波 / キャビテーション / 流体力学 / 金属加工 / ジェット水流 / 脱気水 / 噴射ノズル / ランジュバン超音波振動子 |
Research Abstract |
強力超音波照射時のキャビテーションや直進流の特異な効果を利用した内径,深さが約8mmのカップ状の小形ガソリンエンジン用燃料噴射ノズルの研磨加工実験を行った。ノズルはステンレス材で,ノズル孔は底中央に150ミクロンのドリル加工のものである。振動拡大用の直径6mmのホーンを内部に挿入し,強力超音波を照射することによりキャビテーション流を発生,孔を通過させ,残留バリや孔のエッジを研磨加工することで流量調節を目指すものである。加工力の強いキャビテーションの発生のために,(1)放射媒質に高脱気水を使用する。 (2)高脱気水を加圧して音場媒質とする。 (3)キャビテーションによって発生・成長した気泡を短時間で除去するため,キャビテーション水流は減圧水槽に排出する。 (4)良好なキャビテーション発生効率と粒子加速度の検討から,使用周波数は28kHzとする。 以上のアイディアを基盤にした実験を行い次の結果を得た。標準的な試料の場合,5分から20分の加工時間で10〜20%の流量増加を達成した。これは10ミクロン以下のバリの除去,エッジ部の面取り加工の進行の結果と結論できる。流量測定および顕微鏡写真の観察から,10ミクロン以上のバリは,変形は起こるが短時間では除去が難しい。また,加工時間に対する流量変化率の測定では,ドリル加工の出来具合に関係するが,初期の5分〜15分間では,0.4%/分程度と大きいが,時間とともに変化率は減少した。 本実験結果から,10ミクロン以下の比較的小さなバリ除去については,対応可能であるといえる。しかし,上述した4項目の加工効率化のアイディアの他に,使用周波数,放射音場の指向性など重要なパラメータの影響が考えられるため,さらに系統だった研究が必要である。 このためには,超音波キャビテーション加工の基本メカニズムの究明が極めて重要であるといえる。15年度は,これを検討して行きたい。
|
Research Products
(1 results)