Research Abstract |
今年度は,まず,Global Local有限要素法(GLFEM)で用いる解析解として,内部の長方形領域に等分布荷重を受ける無限体の変位場,ひずみ場,および応力場をKelvinの解を積分することにより求めた.これをすでに開発済みであった全領域型のGLFEMプログラムに組み込み,先端に負荷を受ける片持ち梁の解析を行ったところ,合理的な解が得られなかった.そこで,全領域型に代えて,新たに,解析領域をGlobal領域とLocal領域に分ける解析法を取り入れ,さらに,歯面膜要素をそのGlobal領域とすることを想定し,その体積Ω^*→0としたときについて定式化を行った.この定式化に従って,開発済みであったGLFEMプログラムを書き換え,先の解析を行ったところ,合理的な解が得られた.そこで,すでに開発済みであった歯面膜要素を用いたフェースギヤの歯当り解析結果を用いて,フェースギヤ歯面上のピニオン歯面との初期不整量分布を利用して,種々の組み付け誤差のある場合に対して歯面分布荷重を想定し,その想定した分布荷重に対してフェースギヤの歯に生じる応力を解析した.残念ながら,歯面の接触問題までは解析できなかったが,これにより,今後の研究の方向を見極めることができた.この結果については,9月に米国機械学会主催の国際会議で発表を予定している. 一方,先に予定していた開発しているGLFEMソルバーの信頼性を確認するための実験,すなわち,円筒歯車の静的な負荷かみ合い試験機を前倒しで設計・製作した.精密な歯面荷重分布の測定を行うために,装置の組み付け精度を以下に確保するかという問題もおおむね解決し,感圧シートを用いた歯面分布荷重の測定にも目処が付いた.この結果については,8月に日本機械学会の年次大会講演会で発表する予定である.
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