2003 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ表面硬化処理を施した歯車のスコーリング強さ
Project/Area Number |
14550134
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
河野 正来 呉工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (20110223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中迫 正一 呉工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (30259923)
灘野 宏正 呉工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (40043799)
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Keywords | プラズマ表面硬化処理 / 歯車 / スコーリング / プラズマ浸炭 / プラズマ窒化 / ラジカル窒化 / ヘルツ接触 / 瞬間温度上昇 |
Research Abstract |
平成15年度においては,プラズマ窒化処理およびラジカル窒化処理を施したアルミニウムクロムモリブデン鋼SACM645製の円筒および歯車について二円筒試験および歯車試験を行い,平成14年度のクロムモリブデン鋼SCM415製円筒およびSCM415製歯車の場合の試験結果と比較,検討を行った。また,ヘルツ接触における三次元熱流の場合の楕円状分布移動熱源による瞬間温度上昇式を適用し,焼付き臨界温度およびスコーリング臨界温度の観点から検討を行った。その結果,以下のことが明らかになった。 1.二円筒試験はおいて,ラジカル窒化処理を施したSACM645製円筒の場合の焼付き荷重は約1090N/mmであり,プラズマ窒化処理を施したSACM645製円筒の場合に比べて焼付き強さは約1.3倍となり,ラジカル窒化処理を施したSCM415製円筒の場合に比べて焼付き強さは約2.2倍となる。 2.二円筒試験において,いずれの試験円筒の場合も,試験開始直後の摩擦係数は0.08-0.12となる。また,垂直荷重の増加につれて摩擦係数は低下し,焼付き発生直前の摩擦係数は,浸炭処理を施した円筒の場合には0.08〜0.09となり,窒化処理を施した円筒の場合には0.06〜0.07となる。 3.歯車試験において,プラズマ浸炭処理を施したSCM415製歯車の場合のスコーリング発生荷重は約790N/mmであり,ガス浸炭処理を施したSCM415製歯車の場合に比べて,スコーリング強さは約2.2倍となる。また,プラズマ窒化処理を施したSACM645製歯車の場合のスコーリング発生荷重は約720N/mmであり,ラジカル窒化処理を施したSACM645製歯車の場合に比べてスコーリング強さは約1.1倍となる。 4・プラズマ窒化処理,ラジカル窒化処理およびプラズマ浸炭処理を施した歯車の場合のスコーリングに対する臨界温度は,ガス浸炭処理を施した歯車の場合に比べて,約130〜150℃高く現れる。
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Research Products
(1 results)