2002 Fiscal Year Annual Research Report
非定常キャビテーション流れの数値シミュレーション手法の開発
Project/Area Number |
14550138
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井小萩 利明 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90091652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中森 一郎 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (20280886)
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Keywords | キャビテーション / 相変化 / 数値シミュレーション / 翼列流れ / ターボポンプ |
Research Abstract |
本研究では、ロケットのターボポンプ・インデューサ等の流体機械の設計開発に際し、キャビテーションを伴う高速かつ非定常な流れの詳細な流動特性を解明できる数値解析手法の実用化を目指している。キャビテーション流れには、液相と気相の混合状態、極低マッハ数域と超音速域が存在するため、これらを同時に扱える統一手法の開発を行った。本解析手法は、以下のような幾つかの特徴を有している。 液体が飽和温度に近い状態にある時のキャビテーション流れでは熱力学的効果が大きく、温度変化も無視できない。そこで、これまでに開発した解析手法において考慮した連続の式と運動量保存式にエネルギー保存則を新たに追加し、より広範囲のキャビテーション流れに対応できるように拡張した。そのため、気液相間の蒸発・凝縮による実在効果を考慮できる新たな相変化モデルを生成項として組み込み、その定量的な検証を終了した。 また、単相流について知られている前処理法の考え方を、時間項が破壊されないよう本解析手法に取り入れることにより、極低マッハ数に対する非定常解の信頼性を向上させるとともに、音速を超えるマッハ数をも同時に扱える解析手法を開発した。 一方、本解析手法に適した風上化と近似因子化法、およびLU分解を導入することにより、キャビテーション流れにも適用可能な陰解法を開発し、計算効率の飛躍的な向上を確認した。 さらに、本解析手法を一枚周期翼列流れへ適用し、シートキャビテーションブレークオフ現象の二種類のメカニズムを予測するとともに、三枚周期翼列流れにも適用することにより、ターボポンプに発生する代表的な三種類のキャビテーション不安定現象が再現できることを確認した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] I.Nakamori, T.Ikohagi: "Numerical Method for Cavitating Flow with Phase Change"The 5^<th> JSME-KSME Fluids Engineering Conference Abstracts. 322-322 (2002)
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[Publications] 中森一郎, 井小萩利明: "圧縮性気液媒体モデルを用いた気液界面捕獲スキームの一考察"日本学術会議、第52回理論応用力学講演会講演論文集. 351-352 (2003)
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[Publications] 福士陽, 中森一郎, 井小萩利明: "キャビテーションを伴う高速水中水噴流の数値シミュレーション"日本機械学会論文集(B編). 68・673. 2496-2503 (2002)
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[Publications] 伊賀由佳, 井小萩利明ほか: "翼列翼まわりの二次元非定常キャビテーション流れの数値解析"日本機械学会論文集(B編). 68・666. 368-374 (2002)
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[Publications] Y.Iga, T.Ikohagi et al.: "Numerical Study of Sheet Cavitation Break-Off Phenomenon on a Cascade Hydrofoil"Journal of Fluids Engineering, Trans, ASME. (掲載予定). (2003)