2003 Fiscal Year Annual Research Report
GS乱流場のSGS拡散効果を考慮したLESのダイナミックSGSモデリング
Project/Area Number |
14550148
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
森西 洋平 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40222351)
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Keywords | LES / DNS / 平板チャネル乱流 / SGSモデル / SGS応力 / SGS熱流速 / a prioriテスト |
Research Abstract |
まず,LESのSGS応力モデルおよびSGS熱流束モデルの評価基準を得るため,パッシブスカラー輸送を伴う平板チャネル乱流のDNSを実行した.流れ場は主流およびスパン方向に周期的であり,速度の壁面境界条件にはすべり無し条件が用いられている.熱的壁面境界条件として,上下壁の温度差が無い等温壁間の流れ,上下壁間の温度差がある等温壁間の流れ,および断熱壁と等温壁間の流れの3例が扱われている.これら3例の熱的壁面境界条件の流れそれぞれについて,壁面摩擦速度とチャネル半幅によるレイノルズ数を150と300と設定したDNSを実施した.プラントル数は0.72である.平均速度分布,平均温度分布,乱流強度分布,温度変動強度分布について,本研究で得られたDNSデータと従来のDNSデータとの比較を行い,本研究で得られたDNSデータが十分な信頼性を持つことが確認された.さらに,熱的壁面境界条件の違いによる乱流統計平均量の違いを考察した.成果の詳細については「熱的壁面境界条件が異なる非圧縮性チャネル乱流の数値解析」の題目で日本機械学会論文集(B編,2003)に掲載されている. 次に,DNSで得られた流れ場に空間的なフィルター化操作を行い,流れ場をGS成分とSGS成分とに分解し,GSおよびSGSそれぞれに対応する統計平均量を算出した.フィルター化操作は主流およびスパン方向の面内に対してガウシアン型のフィルターを用いて行われている.本年度は1方程式型SGSモデルの評価を行うためにSGS乱流エネルギーの輸送方程式の収支を計算し,従来型のSGSモデルおよびスケール相似則によるモデルに対するa prioriテストを実行した.その結果,従来型の1方程式型SGSモデルでは生産項を過大評価および散逸項を過少評価することが示され,いずれについてもスケール相似則によるSGSモデルの導入により予測結果が改善されることが示された.以上の成果は,第17回数値流体力学シンポジウム(H15.12.17〜19)において,「DNSデータを用いた1方程式型SGSモデルの評価」の題目で講演発表されている.
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