Research Abstract |
最近,高い機能性を有する流体として,磁性流体やER流体,MR流体などに関する実験および,理論的研究が盛んに行われてきている.これらの研究においては,複雑な流体的振る舞いをすることから,複雑流体として位置付けられ,他分野にわたる応用研究が行われてきている.しかしながら,これらの流体は,複雑で多様的な特性を有するため,実用化にちなんだ応用開発研究において,解決すべき多くの点がある.中でも,21世紀におけるナノテクノロジーやバイオテクノロジー、さらには、宇宙開発において,これらの高機能性流体の利用は,大いに期待されているところであり,これに関する研究を推進しなければならないのが現状である. これらの点を踏まえて,本研究では,高機能性流体を宇宙において利用する際に,最適な応用例の一つとして,高機能性流体エネルギー変換装置の開発研究を行った.まず,磁性流体を用いたエネルギー変換装置は,既に考案されているが,流体の飽和磁化が小さいことにより,エネルギー効率がそれほど高く望めなかったという背景から,磁性流体より大きな飽和磁化をもち,かつ,MR流体より流体的な安定性が良い,磁気混合流体(MCF)を開発した.この流体を使えば,宇宙空間内におけるエネルギー変換装置の効率が格段に向上することが期待できる. 次に,高機能性流体エネルギー変換装置を宇宙で利用する際には,地上でのそれの特性と比較検討しておく必要がある.そこで,広範囲なグラスホフ数やレーリー数下で,そのエネルギー変換装置内における熱流動特性がどのように変化するかについて,数値実験を行い,宇宙で利用する際,生じるであろう熱流動特性の問題点を明らかにすることができた.また,実験においても,色々な流動様式によるエネルギー変換装置内における熱流動特性やエネルギー効率の変化について明らかにした.
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