2002 Fiscal Year Annual Research Report
遠心型気体機械の羽根車-回転軸系における非定常挙動と分岐現象
Project/Area Number |
14550162
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
太田 有 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50211793)
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Keywords | 流体機械 / 数値流体力学 / 音響 / 非定常流れ / 分岐現象 |
Research Abstract |
遠心型流体機械に発生する非定常現象と分岐を対象として,以下に示すように大別して3種類の実験的・数値的研究を行った.(1)遠心型送風機に発生する代表的な非定常現象として空力騒音を挙げ,その発生機構・音源位置と内部流れ場の関連について,詳細な圧力および騒音測定に基づき調査した.特にその音源位置は渦型室壁面上で不規則に変化し,複雑な分岐を伴うことを明らかにした.これにより遠心型送風機の代表騒音である翼通過周波数成分に関して,その音圧レベルを定量的に評価する方法を提案することができた.また,内部流れとの関連については,熱線流速計を用いる計測システムの構築を行い,次年度以降展開する実験の準備を行った.(2)比較的高圧の遠心型圧縮機を対象とした実験では,羽根車と案内羽根の干渉に研究の焦点を当て,性能および発生騒音の双方に注目した研究を行った.現在までにほとんど報告例のない案内羽根の影響に関しては,干渉によって発生した音響波が,羽根車,吸込管路を伝播して系外へ放出される線形モデルを提示し,実験値と精度よく一致することを示した.また,案内羽根厚さが発生騒音に与える影響を定量的に評価するために,各種形状の案内羽根を自作し,来年度以降の実験準備を行った.合わせて,羽根車と案内羽根の干渉に着目した数値解析の準備も行っている.(3)回転軸系の分岐現象の代表例として,軸受内に発生するTaylor渦列を取り上げ,その非定常挙動および分岐状態を数値解析によって明らかにした.特に,Taylor渦のセル数と非定常トルクや流体力との関連に着目し,壁面から噴流を加えることでセル数を制御し,非定常トルクを減少させる試みを行った.また,回転加速度や内外半径比,偏心率などのパラメータを種々に変化させた数値実験を思考し,セルの分岐に関する基礎資料を蓄積することができた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 易田拓美, 新井貞敏, 太田 有: "偏心二重円筒間に発生するTaylor渦流れの数値解析"日本機械学会2003年度年次大会講演論文集. (発表予定). (2003)
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[Publications] Y.Ohta, S.Masui, T.Fuyumuro, E.Outa: "Frequency-Response Characteristics of Interaction Tone Noise Radiated from a Centrifugal Compressor"Proc. of the 4th ASME/JSME Joint Fluids Engineer Conference. (発表予定). (2003)
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[Publications] Y.Ohta, E.Outa, N.Shida, K.Ohkanda: "Noise Source Characteristics of Blade-Passing Frequency Components Radiated from a Centrifugal Blower"Proc. of the 5th JSME/KSME Fluids Engineering Conference. 1-6 (2002)