Research Abstract |
感温性磁性流体の沸騰二相流による駆動力・熱輸送特性に関する研究において,最大磁場強さが加熱体入口の位置にある場合,磁場印加により昇圧効果があることを,実験・解析の両面から確認した.また,単相流・二相流ともに,磁場印加により加熱体内部に循環流が形成され,熱輸送特性が向上することが分かった.特に二相流の場合には,壁面からの気泡の離脱により,熱輸送が大きく向上することがわかった.さらに,非共沸混合磁性流体を用いることにより,自己循環可能な熱輸送装置の構築が可能であることが分かった.また,円形管流路内に部分的に磁場保持された封入フィルム膜,磁性流体膜についての研究では,封入フィルム膜の高レイノルズ数での流量制御への応用が可能となること,ならびに,磁場勾配の大きさが,膜の形状・流動特性に大きな影響を与え,z方向の磁場が大きいとヒステリシス現象が見られることが判明した.導電性高分子混合磁性流体を用いたMHD発電特性については,物性調査,発電検証実験を行った結果,導電性高分子水溶液を水ベース磁性流体に混合することにより,物性が安定した導電性高分子混合磁性流体を作製することができ,その導電率は1.25Sm^<-1>を示した.また,MHD発電検証実験での起電力は,理論発電性能と良い一致を示し,導電性高分子混合磁性流体を用いたMHD発電が可能であることを実証した.さらに,導電性高分子混合磁性流体が充填された,MHD発電機のファラデーチャンネル部はコンデンサの性質を示すことがわかった.磁性流体を用いたボイド計測では,形状・形態が異なる1次・2次コイルを用いて実験を行った結果,検出される誘導起電力はボイド率の変化に対してよい線型対応を与えることが分かった.また,検出されたボイド率は,磁性流体の濃度に対して非線型関係が存在することが新たに分かった.
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