2002 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカルジェットによる予混合圧縮着火燃焼の着火時期制御
Project/Area Number |
14550186
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村瀬 英一 九州大学, 工学研究院, 教授 (60150504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 英昭 九州大学, 工学研究院, 助手 (30037915)
花田 邦彦 九州大学, 工学研究院, 助手 (30037874)
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Keywords | 予混合圧縮着火 / 自己着火 / パルスジェット / 着火時期 / 急速圧縮装置 |
Research Abstract |
拡散燃焼を主体とする現在のディーゼル機関は、その燃焼形態から、窒素酸化物(NOx)とすすなどの微粒子の排出低減が難しいと考えられる。そこで、超希薄予混合気を圧縮着火することで、NOxと微粒子を同時に低減する試みがなされている。しかし、自己着火に頼るこの燃焼方式は、着火時期の制御ができないことが最大の問題である。一方パルスジェット点火は、希薄混合気の確実な点火と燃焼促進に有効な点火手法である。そこで、パルスジェットの容積的な初期燃焼が、予混合気の自己着火のトリガーとして働くことが期待できる。ここでは急速圧縮装置を利用して、n-ブタンによる予混合圧縮着火の基礎実験を行うと共に、パルスジェットによる着火時期制御の可能性を調べ、以下の結論を得た。 (1)カムを利用した急速圧縮装置で、n-ブタン/空気混合気の着火遅れを調べた結果、圧縮後の状態は、正の温度係数領域の低温度側にあることがわかった。 (2)着火遅れは、当量比φ=0.4において一番短く、かつ高い圧力上昇を示した。φ=0.3、0.2と希薄になるに従って、着火遅れは長くなり、圧力上昇も低くなることがわかった。 (3)パルスジェットイグナイタから噴出したジェットが、燃焼室内の混合気の自己着火のトリガーとして働き、燃焼が開始したことが確認された。このことにより、パルスジェットが予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御に有効であることがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] E.Murase, K.Hanada: "Control of the Start of HCCI Combustion by Pulsed Flame Jet"SAE SP-1718. 179-190 (2002)
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[Publications] E.Murase, K.Hanada: "Ignition Timing Control of Homogeneous Charge Compression Ignition Engines by Pulsed Flame Jets"Combustion Science and Technology. Vol.174(5-6). 129-140 (2002)
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[Publications] 村瀬 英一, 花田 邦彦, 日高 匡聡: "HCCI燃焼とパルスジェット"第17回内燃機関シンポジウム. 375-380 (2002)
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[Publications] 村瀬 英一, 川野 英昭, 中屋 充雄, 宝 河: "放電プラズマによる水素生成と燃料改質"第40回燃焼シンポジウム. 295-296 (2002)
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[Publications] E.MURASE, K.HANADA, T.HAMAKAWA: "OH fluorescence images of Pulsed Flame Jet in a swirl flow"Proc.of 19th ICDERS. (印刷中). (2003)