2002 Fiscal Year Annual Research Report
生体組織の凍結保存において細胞の3次元的構造が解凍後生存率に及ぼす影響
Project/Area Number |
14550193
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
氏平 政伸 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (70286392)
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Keywords | ヒト皮膚繊維芽細胞 / 人工組織 / 単層培養細胞 / 凍結保存 / 蛍光物質 / 細胞密度 |
Research Abstract |
本年度は,任意の細胞密度の工組織を作製し,それらを冷却速度をパラメータとして凍結・解凍し生存率を調べ,未凍結人工組織の染色により細胞の様子を明らかにした.次に,単層培養細胞と懸濁細胞において,人工組織と同様の条件で凍結解凍した後の生存率測定を行った.また,懸濁細胞で蛍光物質を用いた凍結解凍後の生存率測定を試みた. ヒト皮膚繊維芽細胞を細胞密度10^5〜10^7cells/cm^3でコラーゲンスポンジ(Koken Cellgen CS-100,φ20×1mm)中で培養した人工組織,φ35mm培養皿上で細胞面積密度約10^4〜約10^6cells/cm^2で単層培養した細胞,細胞密度10^5〜10^7cells/cm^3で縣濁した細胞を実験に用いた.凍結保護物質には,10%ジメチルスルホキシドを用いた.冷却源として液体窒素を用い,ヒーターに加える電圧をプログラム調節計(Yokogawa UP750)で制御することにより,試料を冷却速度0.1〜約100℃/minで10から-160℃以下まで冷却した.その後解凍し,酵素により懸濁状態とした細胞でトリパンブルー色素排除試験法により生存率を測定した.それと並行し,未凍結の人工組織をヘマトキシリン・エオシン染色し切片を光学顕微鏡観察した.それに加え,蛍光物質(Molecular Probes SYTO^<【○!R】>13)を解凍後の懸濁細胞に加え,倒立蛍光顕微鏡(Nikon TE300-DEF-S)を用いて生存率測定を行った. その結果,人工組織と単層培養において,細胞(面積)密度が高くなると,最適冷却速度が低冷却速度側にシフトし,生存率が低下した.そして,高密度の人工組織と単層培養では,細胞同士の接触が観察された.このことから,それらの生存率低下要因として細胞同士の接触が考えられた.また,蛍光物質とトリバンブルーを用いた場合の生存率の間に相関が見られた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 氏平政伸: "解凍後細胞障害"臨床整形外科. 37(7). 844-846 (2002)
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[Publications] Ujihara M, Sukegawa Y, Nogawa S, Nagoshi T, Mabuchi K: "Effect of Cell Density on Viability of Artificial Tissue after Cryopreservation"Fourth World Congress of Biomechanice [Proceedings]. (CD-ROM). 31 (2002)