2003 Fiscal Year Annual Research Report
水蒸気爆発に関する研究(溶融金属の落下条件の影響)
Project/Area Number |
14550202
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
斎藤 孝基 明星大学, 理工学部, 教授 (40010681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 静雄 東京大学, 工学系研究科, 助手 (60170502)
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Keywords | 水蒸気爆発 / ハンダ / 落下過程 / 水槽真空度 / 電磁弁操作 |
Research Abstract |
本研究では水蒸気爆発の発生と水の温度、サブクール度等との関係を求めるに際し、溶融金属が真空(20℃前後の水の飽和蒸気圧程度)中を落下する場合、空気層を通って水中に落下する場合とを比較して検討を行う。装置を平成14年度の経験を踏まえて新しく作成し、真空度の保持、実験の操作性を向上することが出来た。電磁弁全体を容器内に設置するに当り、高温による弁駆動コイルの破損防止、配線の壁貫通部を改善した。 水槽容器はおよそ5リットルで主材はアクリル板である。 実験条件は、金属:ハンダ(組成Sn63Pb37:溶融点183℃)、溶融ハンダの温度範囲は400〜440℃、水温:15〜30℃、容器内圧力1.7kPa〜大気圧、落下距離:15cm。 真空中の落下において溶融温度が440℃では爆発にいたる割合が約70%であるのに対し、400℃では10%程度に低下した。爆発は水中を落下中、あるいは水槽の底に達したときに起こっている。大気中の落下では水面近傍で起こる場合があった。電磁弁の一回の開操作で、複数の場所で爆発が起こることも観測された。爆発割合、爆発場所等について一般的な結論を導くには実験回数が不十分であり、今後継続して実験を行う必要がある。 圧力変動の測定にはダイヤフラム型センサー、ピエゾ型圧力センサーを使い分けている。 現象は圧力変化記録と同期をとって高速度ビデオカメラで撮影した。爆発に至ったか、急激な相変化にとどまったかの判別は圧力変化、ビデオ撮影の結果により可能である。 底に残る固化した金属の形状を金属顕微鏡により観察し、現象を推察した。 今後、溶存空気の少ない水を使用し、実験回数を重ねて水蒸気爆発の限界条件を考察する。
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