2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550203
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
栩谷 吉郎 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60139748)
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Keywords | 直接接触熱伝達 / 凍結 / 凍結促進 / 水滴 / 電場 / 過冷却 / 凍結率 |
Research Abstract |
「水滴が固体表面(電極面)に接触する際の凍結開始の様子と接触面積等を調べる研究」については撮影条件を工夫した実験とまとめを行った。シリコーン油の温度は-4、-5℃を中心とし、その中に入れた二回蒸留水による水滴を同温度の過冷却状態にした後、シリコーン油に平等電場を付与して水滴を電極板間で往復運動させ、下記透明電極板との衝突直前から直後までの水滴の挙動、凍結開始の様子を、透明電極板を介して、または側方から高速度ビデオカメラで撮影、観察した。水滴の直径は4±0.1mm、電場強さは0.22、0.28MV/mを中心とした。負側電極板はソーダライムガラスにスズ-インジウム酸化物を蒸着したものであり、光を透過する。正側電極板は真鍮板である。結果の概要は以下の通りである。(1)接触面積の時間変化がほぼ明らかになった。衝突初期には水滴と電極板との間に油膜の存在が予想され、その後油膜が切れて、両者が直接接触すると考えられる。(2)凍結は、水滴と電極板とが直接接触したと判断される後に開始する。(3)凍結開始は、電極板、水滴、シリコーン油の間にできる固-液界面付近、三相境界付近、液-液界面付近のいずれでも確認された。(4)水滴内部に向かって進む凍結は過冷却水面における核生成時の典型例と同様と判断できた。(以上は、平成15年度、日本冷凍空調学会学術講演会にて発表)とくに、(3)の液-液界面近傍における凍結開始は現象の本質に関わると考えられるので、この解明を最優先とし、正負の影響の実験研究に代えることにした。実験の結果、シリコーン油中の何らかの微粒子が影響していると考えられる。なお、「電場中に複数の滴が存在する場合に起こる現象」については、平成14年度の実験のまとめを行った。
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