2002 Fiscal Year Annual Research Report
任意連続体構造物の汎用非線形モード方程式に関する研究
Project/Area Number |
14550207
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 幸徳 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10186778)
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Keywords | 非線形振動 / 有限要素法 / モード方程式 / モード解析 / 連続体 |
Research Abstract |
幾何学的非線形性を考慮した非線形有限要素法に基づき,「中間でばね支持された両端固定はり」と「浅い曲がりはり」に関する支配方程式を導出し,解析モデルに基づき,線形自由振動と非線形強制振動の数値計算プログラムを開発した.モード方程式を導出する際に用いる変換ベクトルに,周波数応答を非線形代数方程式で近似し,これにニュートン・ラフソン法を適用して求めた応答変位ベクトルを擬似非線形モードとして採用する手法を試みた.さらに,面内慣性を無視することによって,面外モード座標に関する低次元非線形モード方程式をモード間の連成を考慮して導出した.低次元非線形モード方程式の精度を検証するために,元の有限要素法方程式を数値積分して得られた周波数応答との比較を行った.その結果,「中間でばね支持された両端固定はり」では非線形モード方程式は高い精度を有することがわかり,また支持位置やばね剛性が非線形振動特性に及ぼす影響が明らかとなった.しかし,「浅い曲がりはり」に関しては,曲率の影響による軟性ばね特性などの定性的な特徴は一致するが,定量的にはかなりの違いが認められた.これは,曲率を有する構造の場合,面外変形形状が曲がりはりの中央面に関して非対称であるにもかかわらず,モード方程式を導出する際に用いる変換ベクトルでは,これが考慮されていないためと考えられる.また,電磁石を用いた加振装置を製作し,基礎実験として両端固定はりの強制振動実験を実施した.その結果,微小振幅時の線形振動特性は理論解析と一致するが,有限振幅の非線形振動特性には,定量的な違いが見られた.これは,材料の残留応力やわずかなゆがみが原因と考えられ,それらの影響を明らかとするための実験が必要と考えられる.
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