2003 Fiscal Year Annual Research Report
ジャイロ効果を考慮した高速オーバーハング回転軸系のロバスト振動制御
Project/Area Number |
14550216
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
水谷 一樹 三重大学, 工学部, 教授 (30023237)
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Keywords | オーバーハング回転軸系 / 振動制御 / 不釣合い振動 / ジャイロ効果 / ロバスト制御 / カルマンフィルタ |
Research Abstract |
高速オーバーハング回転体は強いジャイロ効果を有し、制振力を計算するための制御ゲインが回転角速度と回転体の傾き角速度の関数になるので、固定ロバスト補償器を用いた制御では高い制振性を得ることはできない。実際のオーバーハング回転機械では、機構上オーバーハング部を直接制振できないことが多く、軸受部に制御用のセンサとアクチュエータを取り付けて間接的にオーバーハング回転体を制振することになる。 理論解析 上述のようなオーバーハング回転軸系の振動制御系の設計を行うために、ジャイロ効果を含んだオーバーハング回転体の状態量を推定(算定)し、ジャイロ項を無視したオーバーハング軸系のモデルにH_∞制御則を適用した制御系に組み入れることにより、ジャイロ効果の影響をロバスト制御則の制御ゲインの導出に反映することを考えた。オーバーハング回転体の状態量の推定法として、(1)非定常カルマンフィルタ、(2)回転速度をパラメータとした定常カルマンフィルタ、(3)ゲインスケジュール制御の3種類について検討した。この内、手法(1)ではカルマンフィルタのゲインが安定せず、発散してしまったが、手法(2)、(3)は本モデルに対して適用可能なことが分かった。回転軸系の二次の危険速度まで制振するには手法(2)の方が簡単に扱えるので、実用性も考えて、現時点では手法(2)とH_∞制御則を併合したときの制振特性について解析を進めると共に手法(3)の適用についても検討をしている。 実験 解析モデルに対応する実験装置を作成して、オーバーハング回転体の制振特性を調べる実験を行っている。理論解析の結果を受けてH_∞制御則と前記の状態量の推定手法(2)とを併合した実験を行い、ジャイロ効果がオーバーハング回転軸系の振動制御に及ぼす影響を実験的に調べた。これらの実験により回転軸系の一次危険速度付近においては十分な制振効果の得られることが確かめられたが、電気ノイズを含む種々のノイズのために二次危険速度付近の制振はできなかった。本研究では、二次危険速度までの制振を目的としているので、現在ノイズの原因の解明とその低減方法について検討している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kazuki Mizutani: "Optimal Vibration Control for Overhung Rotor System with Electromagnetic Actuator"Proc.the 10th International Congress on Sound and Vibration. 4053-4060 (2003)
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[Publications] 水谷 一樹: "オーバーハング回転軸系の最適制振(軸系モデルの簡略化とカルマンフィルタの適用)"日本機械学会Dynamics & Design講演会講演論文集. (CD-ROM). 645,1-645,5 (2003)
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[Publications] Kazuki Mizutani: "Application of optimal regulator theory to vibration control for overhung rotor system"Proc.the 10th Asia-Pacific Vibration Conference. 475-479 (2003)
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[Publications] 西山 幸伸: "能動弾性軸受台で支持されたオーバーハング回転軸系の最適振動制御に関する研究"計測自動制御学会 三重地区計測制御研究講演会講演論文集. 47-50 (2003)
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[Publications] Kazuki Mizutani: "Vibration Control for an Overhung Roller in Textile Machine Considering the Stiffness of Control Device"Journal of Sound and Vibration. 269. 765-780 (2004)
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[Publications] 西山 幸伸: "能動弾性軸受台で支持されたオーバーハング回転軸系の最適振動制御に関する研究"日本機械学会東海支部第53期総会・講演会講演論文集. 217-218 (2004)