2003 Fiscal Year Annual Research Report
浮遊粒子状物質(SPM)定量化のための圧電振動センサ(QCM)の開発
Project/Area Number |
14550221
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
加川 幸雄 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (10019200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若槻 尚斗 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助手 (40294433)
土屋 隆生 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教授 (20217334)
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Keywords | 浮遊粒子状物質 / センサ / 水晶振動子 / 有限要素法 / 温度特性 / シミュレーション |
Research Abstract |
本年度は(QCM)センサに用いる振動子表面の吸着膜の影響と、振動子の周波数安定性の検討を行った。 SPM吸着のための吸着膜の影響の検討 本研究で採用している粒子検出法は圧電天秤法による質量検出であり、空気中に浮遊している微小粒子を計測するには振動子表面にトラップする必要があり、振動子表面に粘着性の吸着膜を設置する必要がある。このような膜は一般的に水晶に比べて柔らかいため、必ずしも振動子の表面と一体となって振動せず、その弾性の効果を考慮しなければならない。従ってトラップされた粒子の質量と振動子の共振周波数変化の関係は、従来より用いられてきた集中定数モデルに基づく理論式とは一致しなくなる。この問題に対処するため、吸着膜の物理的性質、粒子の質量及び共振周波数の関係を、伝送線路モデルに基づく数値シミュレーションにより明らかにした。また、湿度・温度など環境の変化により吸着膜の物理的パラメータが変化する事を想定し、これらの変化を振動子の共振特性から同定することを試みた。ここでは伝送線路モデルによる数値シミュレーションの結果と測定値を一致させるよう、吸着膜の物理的パラメータをDFP最適化法により修正していく方法をとった。 振動子の周波数安定性の検討 本研究では前述したとおり圧電天秤法を採用しており、SPM検出には振動子の共振周波数変化を用いる。従って振動子の周波数安定性はセンサの測定限界を決定付ける重要なファクターである。振動子の共振周波数を変化させる要因としては、湿度・温度などの環境の変化が考えられる。ここでは、振動子の周波数-温度特性を3次元有限要素モデルによる数値シミュレーションにより検討した。その結果、一般に良く知られるATカット振動子特有のS字カーブが再現されるとともに、特定の温度においてメインモードとスプリアスモードの結合に起因する周波数ジャンプが見られた。このような検討が数値シミュレーションで行える事は、SPMセンサのための振動子設計において非常に有用である。また、実験により実際に周波数-温度特性の測定を行うとともに、オーバオールな周波数安定性の実験的検討を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Wakatsuki, S.Wada, Y.Kagawa, M.Haba: "Determination of the mass density of the layer deposited on the surface of the resonator in QCM (quartz crystal microbalance)"Inverse Problems in Engineering Mechanics. 4. 121-126 (2003)
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[Publications] N.Wakatsuki, Y.Kagawa, K.Suzuki, M.Haba: "Temperature-frequency characteristics simulation of piezoelectric resonators and the equivalent circuits based on three-dimensional finite element modelling"International Journal of Numerical Modelling. 16・6. 479-492 (2003)